魚群探知機の基礎知識

魚群探知機は、画面の映る本体と超音波を送受信する振動子によって構成されており、この振動子が発する超音波の特性によって魚群探知機の性能は大きく左右されます。

なので自分の釣り場にあった魚探を購入するには超音波のもつ特性を知る必要があるのです。ここでは魚探の仕組みや超音波の特性について簡単に説明してみたいと思います。

魚群探知機と振動子

まず魚群探知機を構成する上で非常に大切な振動子ですが、これは海底に向かって常に超音波を発信するだけではなく発信した超音波が海底から跳ね返ってくるのを受信するはたらきもあります。これに対して、超音波のはねかえりを画像化して表すのが本体の役割になるのです。

簡単に言えばやまびこと同じことで、魚群探知機は振動子から発信される超音波を声代わりにしているのです。そして、返ってくる超音波のこだまを聞いているのです。

附則までに、超音波が水中を伝わる速度は秒速1500mと言われており、ということは水深750mの深さをなんと1秒で往復できるのです。すごいですね。

この超音波ですが、海底まで行かなくても途中で魚に当たればそこで反射して帰ってくる性質があります。そのため、途中に魚群があると、そこで超音波が反射して帰ってくるので画面に魚群が表示されるのです。そして、この時のはねっかえりの超音波の強さの違いが色の違いとして画面に表示されているのです。

魚群探知機の性能

魚群探知機の性能は超音波によって大きく左右されます。性能を比べる上で大事なのは、超音波の出力と周波数です。

魚探では超音波を声がわりとしてこだまを発生させているというのは先に述べたとおりですが、出力を声の大きさとするならば周波数とは声の高さにあたるといえます。

人の声にもそれぞれ高い低いがあるように、魚群探知機から出る超音波にもあらかじめ設定された周波数の高さ(声の高さ)があるのです。

私の魚探もそうですが、一般的には50kHzと200kHzの2周波を利用している方が多いと思います。その理由はそれぞれの周波数の持つ特徴にあります。

魚群探知機と超音波

超音波の違いについて説明します。

まず低い周波数の超音波の特徴ですが、これには水中に吸収されにくい性質があります。そのため振動子から発信された超音波は遠くまで(深くまで)伝わります。逆に高い周波数の超音波は水中に吸収されやすくなります。なので、深い海底の状態を捉えるのは苦手です。

ここまでだと、低い周波数の方が有利な感もありますが弱点もあります。それは、低い周波数は、スキャンする範囲が高い周波数にくらべて数倍も広いということです。そのため、低周波の場合だと、画像に魚群が映っているからといって船の真下とは限らないのです。

論より証拠で、実際に2画面で併記してみると、50kHzの画面に映った魚群が200kHzの画面だと映らないということもありえるのです。それでは、周波数と魚探の関係をまとめてみましょう。

  • 高い周波数:水中に吸収されやすいため深場には向かないが、振動子の真下をピンポイントで表示できる。
  • 低い周波数:水中に吸収されにくいので深場向き。けれどスキャン範囲が広く船の真下を映しているわけではない。

魚群探知機の分解能

分解能とは、どれだけ細かく地形や魚群を見分けられるかという魚探の能力のことです。あまり聞きなれない言葉ですが、これは魚探の性能を左右する上で非常に重要なポイントとなります。

魚群探知機の画面を見ていて、魚群が中層付近にあるときは海底と魚群の見分けは比較的つきやすいのですが、海底付近だと魚群と海底が一緒に映ってしまい見分けにくいと感じた事はないでしょうか?これを見やすく表示できる能力を分解能と言って、高い周波数ほどこの能力に優れています。

ただし、先述したように高い周波数は浅場でしかその能力を発揮することができません。それでは低い周波数で分解能を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

それには出力アップを計るのです。出力が高いと深場を測定できると言うイメージが強いですが、出力はどちらかと言うと分解能を高める効果のほうが高いと言えます。

魚群探知機の画像

魚群探知機で海底を探りながら画面に映し出される画像を見てみると、場所によって海底の色がそれぞれ違って表示されていることと思います。この色は海底の底質によって変わっているのです。

この色の違いは振動子から発信される超音波の反射の強さをあらわしているもので、この色によってだいたいの海底の底質が判別できるのです。

たとえば、固い岩盤であればより強く超音波が反射されるので、濃い赤色で表示されその幅も厚くなります。逆に砂底であれば、反射が弱いので画面表示される幅は薄くなり、色合いも淡くなるのです。

また、魚探の画像で注意することは、1番右端の画像だけが現在の振動子が捕らえている画像に当たるということです。そのため、船のスピードにもよりますが、画像のスクロールスピードは遅いよりもやや早めに設定しておく方がいいでしょう。

船のスピードより遅いスクロールでは、既に通り過ぎた後の画像を見てしまう事になりますので注意してください。スクロールスピードは魚探機能の一つなので、必ず自分なりに調整してみることをお勧めします。

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