「最強のトーナメンター」その異名に最も近い男、杉山達也。ヘラ釣り界のトップに君臨する彼が、初春の管理釣り場「三和新池」に挑む。
「春の浮き出しは、その年の釣りを占う上で最もワクワクする瞬間」
そう語る杉山。冬の寒さが残る3月上旬、三和新池の気温は氷点下2度。しかし、日中は16度まで上がる予報だ。
「2018年はどんなドラマが待っているのだろうか…」
長年ヘラ釣りをしていても、毎年状況が変化するため攻略法も変わるという。
今回のテーマは「宙(ちゅう)釣り」
数々の名誉を手にしてきた杉山は、トーナメントで多用される「浅ダナセット釣り」でこの状況を打破する。
「バラケと食わせの距離感、つまりハリスの長さに一番こだわっています」
杉山は、上下の針にグルテンをセットする「両ダンゴ釣り」にも挑戦。温かくなり活性が上がってくる春先に有効な釣り方だ。
「手返しの早さが最大の利点。瞬間的に食いに来たヘラを確実に仕留める!」
舞台は茨城県古河市にある管理釣り場「三和新池」。最大水深5m、朝ダナから底釣りまで、様々な釣りが楽しめる人気の釣り場だ。
実釣開始。杉山はまず、下流のペレットと粉末ペレットをブレンドしたバラケ餌を作成。さらに、軽めの中立的な餌と粒子の細かい食わせ餌を混ぜ合わせる。
「大切なのは、餌が均一になるようにしっかりと混ぜ、掘り起こすこと」
今回の相棒は「TSバレット2」。細パイプトップに細身のボディ、そして1本取りのムクトップが特徴的なウキだ。
「細パイプトップは、バラケを馴染ませた時や落とし込んだ時に、無駄な動きを出さずに確かなアタリを表現してくれる」
1投目、杉山はバラケのサイズを直径1.5cmに調整。まずは1目馴染みから1目半を意識して打ち込んでいく。
「バラケをつける際、抑え過ぎは厳禁。必ず地元だけをつけ、下を抑え過ぎないこと」
開始10分、早くもウキに動きが!しかし、これは寄せの段階。焦らず、バラケを馴染ませてヘラを下に向かせる。
「大事なのは、触ってチクっと当たるようなイメージを出すこと」
小魚の動きに翻弄されながらも、辛抱強く打ち返し、ついに1枚目のヘラブナをゲット!
「1枚釣れると、イメージがガラリと変わる。ヘラが来ているという確信が生まれるんだ」
その後も順調に釣果を重ねていく杉山。バラケのタッチ、針への付け方、全てが一定でなければ、同じ馴染み幅を出し続けることはできない。
「コンディションの良いヘラは、食いも立ってくる。触りからアタリまでの間隔を一定に保つことが重要」
徐々に理想の釣りに近づいてきた杉山。しかし、ここで終わらないのがヘラブナ釣りの奥深さ。さらなるドラマが杉山を待ち受ける。
果たして、杉山達也は初春の三和新池を完全攻略できたのか?
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