コストコサーモンの刺身の切り方|腹身・背身を上手に使い分け

こんにちは、暮らし比較ナビのしのいちです。

コストコの鮮魚売り場で、ずしりと重いサーモンフィレを前に「これ、家でちゃんと切れるのかな」と手が止まったことはありませんか。

まな板からはみ出しそうな大きさで、しかも生食用。値段もそれなりにするので、切り方で失敗したくない気持ちはよく分かります。

大判のサーモンは、スーパーの刺身用の柵とは扱い方がまるで違います。

いきなり端から一枚ずつ刺身にしていくより、まず背身・腹身・用途別のブロックに分けてから切るほうが、ずっとラクできれいに仕上がります。

この記事では、腹身と背身の見分け方から、ブロックへの切り分け手順、部位ごとの刺身の切り方、そして食べきれない分の保存方法まで、順を追ってお話しします。

この記事でわかること
  • コストコサーモンの腹身と背身の見分け方と味の違い
  • 大判フィレを用途別のブロックに分ける手順
  • 腹身・背身それぞれに合う刺身の切り方と厚み
  • 食べきれない分を傷めない冷蔵・冷凍保存のコツ

コストコサーモンは切る前の段取りが大事

まずは、コストコのサーモンがどんな状態で売られているのか、そして切り始める前に何を準備しておくと失敗しにくいのかを見ていきます。ここを押さえておくだけで、あとの作業がぐっとスムーズになりますよ。

大判フィレはどんな状態で売られているか

コストコで「サーモン」といえば、多くの人が思い浮かべるのが刺身用の生アトランティックサーモンフィレです。1パックがおよそ1kg前後と、家庭で見かける柵の数倍のボリューム。養殖のアトランティックサーモンを冷凍せずに空輸したもので、骨や血合いを取り除いた半身の状態で並んでいるのが一般的です。

「フィレ」とは、魚を三枚におろしたうちの片身のこと。つまり、サーモン1尾の半分が、ほぼそのままの形で入っていると考えてください。頭側は幅が広くて分厚く、尾に向かうほど細く薄くなっていく、いわば長い三角形のような形をしています。

この形が、そのまま「切りにくさ」につながります。場所によって厚みも脂の乗り方もまったく違うので、どこを切っても同じ刺身になるわけではありません。逆に言えば、部位ごとの違いを知って切り分ければ、1パックで何通りもの味が楽しめるのがコストコサーモンの面白さです。

なお、産地や価格、消費期限は時期や店舗によって変わります。購入時はラベルの表示を必ず確認し、正確な情報はコストコの公式サイトや店頭でチェックしてくださいね。

一枚ずつ切り始めると失敗しやすい理由

大きなフィレを前にすると、つい頭側の端から順番に刺身を引いていきたくなります。でも、これが失敗のもと。理由は大きく3つあります。

1つ目は、幅が広すぎて包丁が一度で抜けないこと。頭側のいちばん広いところは、家庭用の包丁の刃渡りでは一回で引き切れないことがあります。途中で刃を往復させると、断面がギザギザになり、身がつぶれて脂や水分がにじみ出てしまいます。

2つ目は、背と腹で厚みが違うので、刺身の厚さがそろわないこと。一枚の中で奥は1cm、手前は5mmといった具合に、いびつな切り身になりがちです。見た目もそうですが、口に入れたときの食感もちぐはぐになってしまいます。

3つ目は、全部を刺身にする前提で進めてしまうこと。1kgのサーモンを一度に刺身で食べきれる家庭は、なかなかないはずです。切ったあとで余ると、保存しにくい形のまま冷蔵庫に残ってしまいます。

だからこそ、最初にやるべきは「刺身を切る」ことではなく、フィレを扱いやすいブロックに分けること。この順番を守るだけで、仕上がりも保存のしやすさも大きく変わります。

まな板と包丁を先にそろえておく

道具選びも、大判フィレならではのポイントです。まずまな板。コストコのサーモンは長さがかなりあるので、一般的な家庭用のまな板だと端がはみ出してしまうことがあります。はみ出した部分は自分の重みで垂れ下がり、身割れの原因に。できれば長辺が40cm以上ある大きめのまな板を用意しておくと、フィレをまっすぐ置いたまま作業できます。

次に包丁です。刺身をきれいに引くなら、刃渡りの長い柳刃包丁が向いています。刃元から刃先までを使って、手前に一度で引き切れるからです。片刃の柳刃包丁は、切り離す側の身だけを押しのけるようにして進むので、まな板に残る側の断面をつぶしにくいのも特長。脂の多いサーモンでも、断面に艶が残りやすくなります。

もちろん、手持ちの三徳包丁や牛刀でも切ることはできます。その場合は、とにかくよく研いだ状態で使うことが大切。切れ味の落ちた包丁で押したり往復させたりすると、細胞がつぶれて旨みを含んだ水分(ドリップ)が出やすくなり、食感もべたっとしてしまいます。

切り分け前に準備しておきたいもの

大きめのまな板、よく研いだ包丁、キッチンペーパー、固く絞った布巾、小分け用のラップやフリーザーバッグ。作業中に手を止めずに済むよう、保存用の道具まで最初に手の届く場所に並べておくと安心です。

腹身と背身の見分け方と味の違い

ここからは、フィレのどこが背身でどこが腹身なのかを見ていきます。見分け方が分かると、同じサーモンでも「今日はさっぱり食べたいから背身」「お酒のお供にはとろける腹身」と、気分で使い分けられるようになります。

トレーに並んだサーモンとハマチの刺身用切り身

サーモンやハマチの刺身用切り身。部位によって厚みや脂の入り方が違うのがよく分かります

フィレの向きと各部位の位置関係

まず、フィレを皮があった面を下にしてまな板に置いてみてください。身の中央あたりに、頭側から尾側へ向かって一本の線が通っているのが見えるはずです。ここが背と腹の境目。この線を境に、厚く盛り上がっている側が背身、薄く平たい側が腹身です。

背身は断面が高く、四角っぽい形。腹身は薄くて、端に向かってなだらかに平たくなっています。腹身の外側の縁には、脂の層がとくに厚い部分があり、ここがいわゆる「ハラス」と呼ばれるところです。

もう一つ注目したいのが、身の表面に斜めに走る白い線。これは脂の層で、サーモンの「筋目」にあたり、刺身を切るときの目印になります。

背身は脂が控えめで身がしっかり

背身は、泳ぐときによく使う筋肉が集まった部分です。そのため身が締まっていて、脂はほどよく控えめ。噛んだときにしっかりとした弾力があり、サーモン本来の甘みや旨みをすっきり味わえます。

厚みがあるので、刺身にするなら厚めの平造りが似合います。ボリュームのある切り身が皿に並ぶと、それだけで見栄えがしますよね。また、身がしっかりしているぶん、角切りにして海鮮丼やポキにしても形が崩れにくいのがうれしいところです。

腹身はとろける脂が持ち味

腹身は、内臓を守っていた部分なので脂がたっぷり乗っています。白い脂の線が太く、数も多いのが見た目の特徴。口に入れると体温ですっと溶けるような、とろける食感が楽しめます。いわゆる「トロサーモン」に近い味わいはここです。

ただ、脂が多いぶん、厚く切りすぎると後半で少し重たく感じることも。腹身はやや薄めに切って、脂の溶け方をちょうどよくするのがおすすめです。厚さを少し変えるだけで、同じ腹身でもくどさの感じ方がまったく違ってきます。

いちばん外側の薄い縁は、刺身にすると薄すぎて形が決まりにくい部分。ここは無理に刺身にせず、炙りや焼き物に回すと脂の旨みが生きてきます。

尾に近い部分と頭側の違い

背と腹だけでなく、頭側と尾側でも性格が変わります。頭側は幅も厚みもあり、刺身に向いた「いちばんおいしい部分」を取りやすいところ。一方の尾側は、細くて薄く、身の中にスジが多くなりがちです。

尾に近いところは、よく動かす部分なので身が締まって少しかため。刺身にするとスジが口に残ることもあります。尾側の10cmほどは、はじめから漬けや加熱料理用のブロックとして分けておくと、無駄なく使い切れますよ。

部位 特徴 向いている使い方
背身(頭側) 厚みがあり、脂は控えめで身がしっかり 平造りの刺身、角切り、握り寿司
腹身(頭側) 脂がたっぷりで、とろける食感 やや薄めのそぎ切り、カルパッチョ
腹の外縁(ハラス) とても薄く、脂の層が厚い 炙り、塩焼き
尾側 細くて薄く、スジが多め 漬け、ムニエル、焼き物

大判フィレを用途別ブロックに分ける手順

部位の違いが分かったら、いよいよ切り分けです。ここでは、フィレを「背身の柵」「腹身の柵」「炙り・加熱用」の3つの行き先に分けていく流れをご紹介します。順番どおりに進めれば、難しい技術はいりません。

まず背と腹の境目で縦に2本に分ける

最初の包丁は、フィレを縦に2本に分ける作業です。皮があった面を下にして、背側を奥、腹側を手前に置きます。そのうえで、中央を頭側から尾側へ走る境目の線に沿って、包丁をまっすぐ入れていきましょう。

ここでのコツは、押し切りではなく、長いストロークで手前に引くこと。一度で切れなくても、同じ切り口を2〜3回なぞるように引けば断面は荒れません。このとき、境目に血合いの名残りや茶色っぽい部分が残っていたら、薄く削いで取り除いておくと、刺身にしたときの見た目と臭みが違ってきます。

これで、厚い背身の棒と、薄い腹身の棒の2本ができました。ここまでくれば、大判フィレも一気に「いつもの柵」に近い扱いやすさになります。

背身を刺身向きの柵に切り分ける

次に、背身の棒を横に切って柵にします。長さは10〜15cmくらいが目安。包丁の刃渡りの半分ほどに収まる長さにすると、刺身を引くときに刃を大きく使えますし、保存するときもラップやフリーザーバッグに収まりやすくなります。

頭側の太いところは、厚みがあって形もきれいな、いちばんの刺身用。ここは当日食べるぶんとして取っておき、残りの柵は保存用に回すと、おいしいところから順に楽しめます。

腹身の薄い端と白い脂の扱い

腹身の棒は、まず外側の薄い縁(ハラス部分)を細長く切り落とします。幅は2〜3cmほどが目安。ここは刺身にするには薄すぎるので、炙り用や焼き物用のブロックとして別にしておきましょう。

残った腹身は、背身と同じように10〜15cmの長さで横に切って柵にします。腹身は脂が多く、手の温度ですぐにやわらかくなってしまうので、作業はできるだけ手早く、切り終わった柵はすぐ冷蔵庫へを意識してください。

腹身の白い脂の層は旨みそのものなので、基本的にはそのままでOKです。

尾側と切れ端は加熱用・丼用へ回す

尾に近い細い部分は、無理に刺身にしなくても大丈夫です。スジが多くて薄いので、刺身にすると形が決まりにくく、食感もいまひとつになりがち。漬けにしたり、ムニエルやホイル焼きにしたりと、最初から別の料理に回すほうが満足度は高くなります。

形をそろえるときに出た切れ端も、海鮮丼や手巻き寿司の具にすれば無駄になりません。大判フィレを買うときは、刺身以外の献立も一緒に考えておくと、最後まで飽きずに食べきれますよ。

刺身の切り身と寿司飯、海苔、包丁を並べた手巻き寿司の仕込み

手巻き寿司の仕込み。形がそろわない切り身や端材も、手巻きなら気にせず使えます

◆しのいちのワンポイントアドバイス

大判フィレは、切り分けを始める前に「今日食べるぶん」「明日食べるぶん」「冷凍するぶん」をざっくり決めておくのがおすすめです。行き先が決まっていると、どこを刺身にしてどこを加熱に回すかで迷わなくなります。道具にこだわるのが好きな人ほど、実は段取りのほうが仕上がりに効くと感じるはずですよ。

腹身・背身それぞれの刺身の切り方

柵ができたら、いよいよ刺身を切っていきます。ここでは、筋目に対する包丁の入れ方と、背身・腹身それぞれに合った切り方と厚みを見ていきましょう。

筋目を見て包丁を入れる向きを決める

刺身を切るときの基本は、筋目(繊維)に対して直角に刃を入れることです。サーモンの場合、身の表面に斜めに走っている白い脂の線が目印になります。この線を断ち切る向きに包丁を入れると、口に入れたときの筋っぽさがなくなり、なめらかな口当たりになります。

逆に、白い線と同じ方向に包丁を入れてしまうと、切り身の中に線が長く残り、身が線に沿ってほぐれやすくなります。見た目もバラバラになりやすく、食感もぼそっとしがち。同じ柵でも、包丁の向きひとつで味の印象が変わるので、切る前に一度、白い線の向きをじっくり見てみてください。

右利きなら柵を横長に置き、右端から切るのが一般的。白い線と刃が直角に交わるよう、柵の向きを少し斜めに調整すると切りやすくなります。

背身は平造りで厚みを楽しむ

身のしっかりした背身は、平造りで切るのがいちばん似合います。平造りは、柵の厚いほうを奥にして置き、包丁を垂直に近い角度で当てて、刃元から刃先まで使って手前に一気に引き切る方法です。

厚さの目安は8mm〜1cm前後。これくらい厚みがあると、背身の弾力と食べごたえがしっかり感じられます。コストコのサーモンは身が分厚いので、ふだんスーパーで買う刺身より少し厚めに切ると、「大判フィレを買ってよかった」と思えるはずです。

腹身はやや薄めのそぎ切りがおすすめ

腹身は厚みが少なく平たいので、平造りにすると小さな切り身になりがち。そこでおすすめなのがそぎ切りです。包丁を斜めに寝かせて、削ぐように引き切ると、薄くても断面の広い切り身になります。

厚さは5〜7mmくらいが目安です。脂の多い部位は、少し薄めに切ったほうが口の中で脂がちょうどよく溶けて、しつこさを感じにくくなります。断面が広いと舌に触れる面積も増えるので、腹身の甘みやコクがより伝わりやすくなるのもポイントです。

部位 切り方 厚さの目安 ポイント
背身 平造り 8mm〜1cm前後 弾力と食べごたえを楽しむ
腹身 そぎ切り 5〜7mm前後 脂の溶け方をちょうどよくする
カルパッチョ用 薄めのそぎ切り 3〜4mm前後 ソースとなじませる
丼・ポキ用 角切り 1.5cm角前後 タレとからめやすくする

※厚さはあくまで一般的な目安です。好みや柵の状態に合わせて調整してください。

切れ味で断面の艶と口当たりが変わる

同じ切り方・同じ厚さでも、包丁の切れ味で仕上がりは驚くほど変わります。よく切れる包丁で一方向にすっと引いた断面は、角がピシッと立ち、表面に艶が出ます。一方、切れない包丁で押したりノコギリのように往復させたりすると、細胞がつぶれて断面が白っぽくなり、脂や水分がにじみ出てしまいます。

サーモンは脂が多いので、切っているうちに刃に脂がまとわりつき、だんだん滑りが悪くなります。数枚切るごとに固く絞った布巾で刃を拭くと、最後の一枚まできれいな断面で切れます。

サーモンとブリの刺身、焼き魚、サラダが並んだ夕食の食卓

サーモンやブリの刺身が並ぶ夕食。刺身と焼き魚を一緒に出すと、大判フィレも一度に楽しめます

食べきれない分の保存と冷凍のコツ

1kg前後あるコストコのサーモンは、多くの家庭で一度には食べきれません。ここからは、切り分けたブロックをおいしさを保ったまま保存する方法を見ていきます。ブロックに分けておいたことが、ここで効いてきますよ。

冷蔵は消費期限内に食べる分だけ

コストコの刺身用サーモンは、一度も冷凍されていない生の状態で売られているぶん、消費期限が短めです。冷蔵で置いておくのは、ラベルの消費期限内に刺身で食べきれる分だけにしましょう。

冷蔵するときは、柵の表面に出た水分をキッチンペーパーで軽く押さえてから、ラップでぴったり包みます。空気に触れる面が少ないほど、酸化や乾燥を防げます。冷蔵庫の中でも温度の低いチルド室に入れておくと安心です。

刺身に切ってしまうと断面が増え、傷みやすくなります。切るのは食べる直前、保存は柵のままが基本と覚えておいてください。

冷凍は柵単位で空気を抜いて包む

すぐに食べない分は、買ってきたその日のうちに冷凍するのがおすすめです。冷凍するときは、1回で食べきれる量の柵ごとに分けるのがポイント。大きなまま冷凍すると、解凍して使い切れなかった分を再冷凍することになり、味も食感も落ちてしまいます。

冷凍焼けの原因は、身が空気に触れて乾燥・酸化すること。だからこそ、空気をどれだけ抜けるかが仕上がりを左右します。ラップで柵をぴったり包んだうえで、厚手のフリーザーバッグに入れ、空気を押し出してから口を閉じましょう。金属製のトレーにのせて冷凍庫に入れると、早く凍って品質が落ちにくくなります。

コストコのように大容量の食材をよく買うなら、真空保存機を使うのもひとつの手です。袋の中の空気を機械でしっかり抜けるので、手で押し出すよりも乾燥や冷凍焼けを防ぎやすくなります。肉のまとめ買いや作り置きにも使えるので、大容量パックをよく買う家庭ほど重宝します。

保存容器とラップの使い分け

ラップとフリーザーバッグのほかに、ふた付きの保存容器があると便利です。とくに、漬けにしたサーモンや、炙り用に切った腹身の端など、形が不ぞろいなものは容器のほうが収まりがよく、冷蔵庫の中でつぶれる心配もありません。

ただし、容器は中に空気が残りやすいので、長期の冷凍には向きません。冷蔵で翌日までに使う分は容器、冷凍する柵はラップ+フリーザーバッグや真空パックと、使い分けるのがおすすめです。

保存方法の使い分けの目安

当日〜消費期限内に刺身で食べる柵はラップで包んでチルド室へ。数日以上あとに食べる柵はラップで包んでからフリーザーバッグや真空パックで冷凍。漬けや炙り用の端材は、ふた付きの保存容器で冷蔵し、早めに食べきりましょう。保存できる期間は冷凍庫の性能や開け閉めの頻度でも変わるので、あくまで目安と考えてください。

冷凍サーモンの解凍と食べ方の目安

冷凍したサーモンを刺身で食べるなら、冷蔵庫でゆっくり解凍するのが基本です。常温や電子レンジで急いで解凍すると、表面だけが温まってドリップが大量に出てしまい、べちゃっとした食感になります。食べる前日の夜に冷蔵庫へ移しておくくらいがちょうどいいでしょう。

少し芯が固いくらいのタイミングで切ると、身が崩れにくくなります。出た水分はキッチンペーパーで拭き取ってから切ってください。

家庭で冷凍したサーモンは時間とともに風味が落ちます。日がたったものや色・においが気になるものは、加熱して食べるのが安心です。

◆しのいちのワンポイントアドバイス

大容量の食材をよく買う家では、保存道具がそのまま「おいしさの持ち」を決めると感じます。フリーザーバッグ一つとっても、薄手と厚手では冷凍焼けのしにくさが違います。コストコのサーモンを定期的に買うなら、切る道具だけでなく、包む道具にも少しこだわってみてはいかがでしょうか。

生食で気をつけたい安全のポイント

刺身として生で食べる以上、安全面の知識も欠かせません。ここでは、寄生虫への考え方と、切り分け作業中の衛生管理について見ていきます。

寄生虫と家庭用冷凍庫の考え方

魚介類を生で食べるときに気をつけたいのが、寄生虫のアニサキスです。天然の鮭やサバ、イカなどの内臓に寄生し、魚の鮮度が落ちると身のほうへ移ることがあります。コストコのサーモンのように、配合飼料で育てられた養殖のサーモンは、一般的にアニサキスのリスクが低いとされていますが、ゼロだと言い切れるものではありません。

アニサキスによる食中毒を防ぐ方法としては、-20℃以下で24時間以上の冷凍、または中心温度70℃以上などの加熱が挙げられています(出典:厚生労働省『アニサキスによる食中毒を予防しましょう』)。酢や塩、醤油、わさびでは死滅しない点も覚えておきたいところです。

注意したいのは、家庭用冷凍庫の温度。-18℃前後のものが多く、ドアの開け閉めでも温度は上がります。家庭での冷凍は、あくまで品質を保つための保存と考えるのが無難です。切り分けの途中で白い糸のようなものを見つけたら、生食は避けて取り除き、加熱して食べてください。体調に異変を感じたときは、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。

切り分け作業中の温度と衛生

大判フィレの切り分けは、スーパーの柵を切るより時間がかかります。そのぶん、サーモンが常温にさらされる時間が長くなりがち。作業は冷蔵庫から出したらすぐに始め、切り分けたブロックは一つずつラップをして冷蔵庫へ戻す、という流れを意識してください。

まな板と包丁は、使う前に洗ってしっかり水気を拭いておきます。肉や野菜を切ったまな板をそのまま使うのは避け、できれば刺身用のまな板を分けると安心です。手もこまめに洗い、切り分けたサーモンに素手で触れる回数はなるべく減らしましょう。

食品の安全に関する最新の情報は、厚生労働省などの公的機関の発表を確認するようにしてくださいね。

生食前に確認したいこと

ラベルに「刺身用」「生食用」の表示があるか、消費期限内か、変色やにおいがないかを必ず確かめてください。小さな子どもや高齢の方、妊娠中の方、体調のすぐれない方が食べる場合は、加熱調理を選ぶのもひとつの考え方です。気になる点があれば、かかりつけ医などの専門家に相談しましょう。

◆しのいちのワンポイントアドバイス

大きな魚を切り分けると、つい「全部をきれいに刺身にしたい」と力が入りがちです。でも、形が決まらない部分は漬けや焼き物に回すと割り切ったほうが、結果的においしく食べきれます。好きなことだからこそ、安全と段取りには手を抜かない。そのうえで、背身と腹身の食べ比べを楽しんでみてください。

コストコサーモンの刺身の切り方に関するよくある質問(FAQ)

Q1. コストコのサーモンは皮を引く必要がありますか?

A. 刺身用のアトランティックサーモンフィレは、皮や骨を取り除いた状態で売られていることが多いので、基本的には皮引きの作業はいりません。ただ、皮があった面に銀色の薄い膜や茶色っぽい部分が残っていることがあります。見た目や口当たりが気になる場合は、包丁を寝かせて薄く削いでおくと、刺身の仕上がりがきれいになりますよ。

Q2. 小骨が残っていたらどうすればいいですか?

A. 骨取り済みでも、まれに小骨が残っていることがあります。切り分ける前に、指の腹で身の中央あたりを頭側から尾側へなぞってみてください。硬いものに触れたら、骨抜きでつまみ、骨が向いている頭側の方向へ斜めに引き抜くと身が割れにくくなります。

Q3. 柳刃包丁がなくても刺身はきれいに切れますか?

A. 三徳包丁や牛刀でも、よく研いであればきれいに切ることはできます。コツは、刃元から刃先までを大きく使って、手前に一度で引き切ること。刃渡りが短いぶん、柵を細めに切り分けておくと一度で引き切りやすくなります。刺身を切る機会が多いなら、刃渡りの長い柳刃包丁を用意すると、断面の艶の違いを実感しやすいはずです。

Q4. 刺身に切ってから冷凍しても大丈夫ですか?

A. 冷凍はできますが、あまりおすすめはしません。薄く切ると空気に触れる面が増えて乾燥しやすく、解凍したときにドリップも出やすくなるからです。冷凍するなら柵の状態で包み、食べる直前に切るほうが、食感も見た目もきれいに保てます。どうしても切ってから冷凍したい場合は、漬けにしてから保存容器やフリーザーバッグに入れる方法もあります。

Q5. 1パックで何人分くらいの刺身がとれますか?

A. 刺身1人前をおよそ80〜100gと考えると、1kg前後のフィレなら単純計算で10人分前後になります。ただ、尾側や腹の縁など刺身に向かない部分もあるので、実際に刺身として使えるのはもう少し少なめと考えておくと安心です。人数が少ない家庭なら、刺身・漬け・焼き物と複数の料理に分けて、数日かけて楽しむのがおすすめです。

まとめ

コストコの大判サーモンフィレは、いきなり端から刺身にするより、まずブロックに分けてから切るのが上手に扱うコツです。最後に、この記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • 中央の境目を境に、厚い側が背身、薄い側が腹身
  • 最初にフィレを縦に2本に分け、10〜15cmの柵に切り分ける
  • 腹の薄い縁と尾側は、炙り・漬け・焼き物用に分けておく
  • 刺身は白い脂の線に対して直角に包丁を入れる
  • 背身は8mm〜1cm前後の平造り、腹身は5〜7mm前後のそぎ切りが目安
  • 保存は柵のまま。冷凍するなら空気をしっかり抜いて包む
  • 家庭の冷凍は品質保持が目的。消費期限と表示を必ず確認する

背身のしっかりした弾力と、腹身のとろける脂。同じ1パックの中に、まったく違う味わいが詰まっているのがコストコサーモンの魅力です。切り分けの段取りと保存の工夫さえ押さえれば、大きなフィレも最後までおいしく食べきれますよ。次にコストコへ行ったときは、ぜひ背身と腹身の食べ比べを楽しんでみてください。

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