エギングロッドの「おすすめの長さ」を検索して、このページに辿り着いたあなた。おそらく、メーカーのカタログやランキング記事を見すぎて、逆に何を買えばいいのか分からなくなっているのではないでしょうか。
「8.3ftは操作性が良い」「9.0ftは飛距離が出る」「8.6ftはオールラウンダー」。どれも正解のように聞こえますが、その迷いこそがメーカーの思うツボです。最初に結論を言います。初心者から中級者手前の方が選ぶべき長さは、8.6ft一択です。
なぜ言い切れるのか。それは8.6ft以外の長さを選ぶと、エギングで最も重要な「糸ふけ処理」と「ライン角度」の習得が遠のき、結果として上達が遅れるからです。私自身、30年以上の釣り歴の中で数多くのロッドを振り、多くの失敗をしてきました。その経験と、メーカーの設計思想を徹底的に紐解いた結果、たどり着いた「失敗しない答え」をここですべてお話しします。
- メーカーも中核に据える8.6ftこそが上達への最短ルート
- 8.3ftと9ftは明確な条件を言える人以外は買ってはいけない
- 最初の番手は「ML」を選び3.5号を操作する余白を残す
- 迷いを断つ1本ならシマノ「セフィアSS S86ML」が正解
結論|8.6ft以外を選ぶ時点で上達が遠回りになる

冒頭でもお伝えしましたが、初心者から中級者手前の方が選ぶべき長さは「8.6ft」です。これは単に「中間だから無難」という消極的な理由ではありません。
8.6ftは、エギングという釣りにおいて「人間がコントロールできる限界」と「自然環境(風や波)に対応できる最低ライン」が交差する唯一のポイントだからです。
多くの人が誤解している各長さの特性を、現場目線で整理しました。まずはこちらをご覧ください。
| 長さ | 一般的に言われる特徴 | 現場で起きる「不都合な真実」 | 推奨度 |
|---|---|---|---|
| 8.6ft | オールラウンダー | 風や足場の変化に対応し、操作を破綻させない「命綱」になる長さ。 | ◎(買うべき) |
| 8.3ft以下 (短尺) | 操作性が良く疲れない | 風でラインが浮きやすく、エギが泳いでいない時間が増える。 | △(条件付き) |
| 9.0ft以上 (長尺) | 飛距離が出る・足場に強い | 開始2時間でフォームが崩れ、雑なシャクリでイカに見切られる。 | △(上級者向) |
ここがポイント
- 8.6ftは「全ての能力が80点」取れるバランス型ではありません。
- 「マイナス条件(風・波・足場の高さ)を0に戻せる」唯一の長さです。
8.6ftは「飛距離」ではなく“糸ふけ回収”と“ライン角度”で勝てる長さ
「8.6ftは飛距離が出るからおすすめ」という解説をよく見かけますが、それは半分間違いです。飛距離だけで言えば9ftの方が飛びますし、技術次第では短いロッドでも十分飛びます。8.6ftを選ぶ本当の理由は、「糸ふけ回収」と「ライン角度」の調整能力にあります。
例えば、横風が吹く堤防をイメージしてください。キャストした後、風でラインが大きく弧を描いて膨らみますよね。このとき、短い竿だと海面まで穂先が届かず、膨らんだラインを修正しきれません。結果、シャクっても力がエギに伝わらず、エギは海中でただ「滑っているだけ」の状態になります。
8.6ftあれば、ロッドのリーチを活かしてラインを海面に近づけたり、風上側に倒してメンディング(ライン修正)したりといった「逃げ」が打てます。初心者が釣れない原因の多くは、シャクリ方が悪いのではなく、そもそも強風で操作が成立していないことにあります。8.6ftはそのスタートラインに立たせてくれる長さなのです。
現場のアクション
風が強い日は、8.6ftの長さを活かしてロッドティップ(穂先)を海面スレスレまで下げてみてください。ラインが風を受ける面積が減り、驚くほどエギの感覚が手元に戻ってきますよ。
短尺の罠:シャクリやすい代わりに「釣れる操作」が崩れる
最近流行りの8.3ftや7ft台のショートロッド。「軽くてシャクリやすい」「疲れない」という謳い文句は非常に魅力的です。実際、持ってみると感動するほど軽快です。しかし、ここには大きな落とし穴があります。
短いロッドは、手元の操作がダイレクトにエギに伝わりすぎます。ベテランならそれを武器にできますが、フォームが固まっていない人が使うと「エギを動かしすぎる」のです。パンパン!と気持ちよくシャクっているつもりでも、海中ではエギが暴れすぎていて、イカが抱く隙を与えていないケースが多発します。
また、足場の高い堤防では致命的です。ロッドが短い分、ラインの角度が急になり、手前に来るほどエギが浮き上がりやすくなります。足元までしっかり抱かせるチャンスを残したいなら、やはり長さが必要です。
注意点
「疲れない=釣れる」ではありません。8.3ftで楽をしてボウズになるより、8.6ftで多少重さを感じながらもしっかり潮を噛ませて1杯釣る。まずはそこを目指しましょう。
長尺の罠:序盤は気持ちいいが、終盤にフォームが壊れる
「大は小を兼ねる」の発想で9.0ft以上のロングロッドを選ぶ人もいますが、これはエギングにおいては危険な賭けです。確かに飛距離は出ますし、足場の高い磯や堤防では有利です。しかし、それ以上に「体への負担」と「フォーム崩壊」のリスクが大きすぎます。
エギングは1日中、数百回もロッドをしゃくり続ける釣りです。9ftのロッドは支点が遠くなるため、手首への負担は8.6ftの比ではありません。釣行開始直後の30分は「飛びすぎて気持ちいい!」と感じるでしょう。しかし、2時間後には疲労でシャクリ幅が小さくなり、ロッドを振り切れなくなります。
結果どうなるか。疲れて「置き竿」のような状態になったり、ただリールを巻くだけの雑な釣りになったりします。エギングは、集中力が切れた終盤、惰性で投げている時に限って時合いが来ることが多々あります。その一番大事な勝負所を、万全のフォームで迎えられない道具は選ぶべきではありません。
プロの視点
上手い人ほど「一日中振り続けられる軽さとバランス」を重視します。一発の飛距離よりも、100投目のキャストとシャクリを1投目と同じ精度で続けられる道具の方が、トータルの釣果は確実に伸びます。
8.3ftと9ftを“捨てる”理由と例外条件

ここまで「8.6ftを買え」と強く押してきましたが、決して8.3ftや9ftが「ダメな竿」というわけではありません。ハマる状況では最強の武器になります。
ですが、それは「自分のホームポイント(釣り場)の条件を完璧に把握している人」に限った話です。もしあなたが以下の「例外条件」を即答できないなら、やはりこれらは選択肢から外すべきです。
8.3ftを買ってはいけない:港内専用ならアリだが万能ではない
8.3ftは取り回しが良く、手首への負担も少ないため「ランガン(移動を繰り返す釣り)」には最適です。しかし、その快適さは「条件が良い日」に限定されます。
風速5mを超えるような日や、少し足場が高い外洋の堤防に行った瞬間、そのメリットは消え失せます。ラインが海面まで届かず、風に煽られて何をしているか分からなくなるからです。「万能」という言葉に惑わされて買うと、痛い目を見ます。
8.3ftを選んでいい「例外条件」
以下の条件が揃う場合のみ、8.3ftは強力な武器になります。
- 通う釣り場が「漁港の内側」や「小場所」メインである
- 足場が低く、海面までの距離が近い(護岸など)
- 風が強い日は釣りをしない、と割り切っている
これらに当てはまるなら、手返し重視で選ぶ価値はあります。
9ftを買ってはいけない:向かい風には強いが初心者は体が先に壊れる
9ftクラスは、強烈な向かい風や、荒れた磯場など「人間側に不利な状況」をパワーでねじ伏せるためのロッドです。その代償として、扱う人間側にも相応のフィジカルと技術を要求します。
初心者が憧れだけで9ftを持つと、ロッドの重さに振り回されて、エギの動きを殺してしまいます。「竿がしゃくってくれる」感覚を得る前に、手首や肘を痛めてエギング自体が嫌になってしまうのがオチです。
9ftを選んでいい「例外条件」
あなたが以下の項目に自信を持ってYESと言えるなら、9ftへ挑戦しても良いでしょう。
- 半日しゃくり続けてもフォームが崩れない体力がある
- 自分の「釣れるシャクリの型」が既に固まっている
- ロッドの自重を打ち消すような、軽量バランスのタックルを組める予算がある
これに該当しないなら、まずは8.6ftで基礎体力をつけるべきです。
次の沼を潰す|番手は「MLかM」だけでいい

長さが決まっても、次に待っているのが「硬さ(パワー)」の選択です。L(ライト)からMH(ミディアムヘビー)までありますが、ここでも結論はシンプルです。迷うなら「ML(ミディアムライト)」を選んでください。
「3.5号のエギを投げるならMの方が安心では?」と思うかもしれませんが、最近のロッドは進化しており、MLでも3.5号を十分にフルキャストできます。
結論:迷うならMLを選び3.5号を“操作”する余白を残す
MLを推す最大の理由は、「ロッドが仕事をしてくれる余白」があるからです。
初心者のうちは、どうしてもシャクリの動作がギクシャクしがちです。硬いMのロッドだと、その「雑な入力」がそのままエギに伝わり、海中でエギが暴れすぎてしまいます。MLなら、適度な曲がり(しなり)がクッションとなり、人間側のミスを吸収して、エギを艶めかしく動かしてくれます。
また、イカが触ってきたときの「違和感」も、硬い竿よりMLの方が手元に伝わりやすいですし、イカ側も違和感を感じにくいため、エギを離しにくくなります。
Mを選んでいいのは「強風・激流・3.5号メイン」の人だけ
では、M(ミディアム)はどんな人に必要なのでしょうか。それは「パワーが必要な明確な理由」がある人だけです。
| 判断基準 | MLを選ぶべき人 | Mを選ぶべき人 |
|---|---|---|
| メインのエギ | 2.5号 〜 3.5号 | 3.5号 〜 4.0号 |
| 釣り場の水深 | 〜15m(浅場〜中深場) | 15m以上(深場) |
| 潮流・風 | 普通 | 速い・強い |
| 狙い | 数釣り・秋イカ・春イカ兼用 | 春の大型・遠投重視 |
Mは「3.5号のエギを、深場で、激流に逆らって、キビキビ動かす」ための番手です。もしあなたのホームポイントが、そこまで過酷な環境でないなら、Mはオーバースペックになり、ただ「硬くて疲れる竿」になりかねません。
MLが死ぬ条件:ロッドが負ける時ではなくラインが暴れる時
「MLだと頼りない」と感じる場面があるとしたら、それはロッドパワー不足ではなく、「状況判断のミス」であることが多いです。
MLが機能しなくなる(死ぬ)のは、横風でラインが大きく膨らみ、柔らかい穂先ではその「糸ふけ」を切り裂けない時や、激流すぎてエギを跳ね上げられない時です。このレベルの悪条件が頻発する地域(外洋に面した離島など)で釣りをする場合に限り、Mへのステップアップを検討してください。
チューブラーかソリッドか?──初心者は“感度の数字”に騙される
最後に、穂先の種類についても触れておきます。中は空洞の「チューブラー」と、中が詰まった「ソリッド」。最近は「ソリッド=高感度で釣れる」という風潮がありますが、これには注意が必要です。
ソリッドの誘惑:アタリは増えるが雑な操作も増える
ソリッドティップは確かに柔軟で、イカパンチなどの微細なアタリを目感度(穂先の動き)で捉えやすいです。しかし、その柔軟さが仇となり、「しゃくった力がエギに伝わりにくい」という側面があります。
初心者がソリッドを使うと、ロッドが曲がりすぎるため、「動かしているつもりで、実はエギがあまり動いていない」という現象が起きます。さらに、操作が雑でもロッドが吸収してしまうため、いつまで経っても「正しいシャクリのフォーム」が身につきません。
チューブラーの強さ:エギを意図通りに動かし再現性を上げる
一方、チューブラーは「張り」があります。入力した力がダイレクトに伝わるため、エギをキビキビと動かすことができます。
これは「自分の操作=エギの動き」が直結することを意味します。つまり、「こう動かしたら釣れた」という再現性が高いのです。感覚だけでなく、理屈で釣りを組み立てられるようになるため、上達のスピードが圧倒的に早くなります。
結論:中級者手前はチューブラーで基礎固めが最短
しのいちの提言
- まずは「チューブラー」で、自分の意図通りにエギを動かす感覚を養ってください。
- ソリッドは、その基礎ができた上で「どうしても取れない渋いアタリがある」と分かった時に手を出すべき「特化型」の武器です。
迷いを断つ「買うべき1本」の最終確定

ここまで条件を絞り込みました。「8.6ft・ML・チューブラー」。この条件を満たすロッドは市場に山ほどありますが、失敗したくないなら選ぶべきは「シマノ」一択です。なぜなら、この価格帯において「基本性能の底上げ」に対する投資額が桁違いだからです。
その中でも、私が自信を持って「これを買っておけば間違いない」と断言できる1本を紹介します。
迷うならこれを買え|シマノ「セフィアSS S86ML」
結論から言います。予算が許すなら、シマノ「セフィアSS S86ML」を買ってください。これが現在、市場における「失敗しないエギングロッド」の到達点です。
根拠はメーカーのラインナップにあります。シマノはこのセフィアSSシリーズにおいて、S86(8.6ft)という長さにだけ、LからMHまで6種類ものパワー設定を用意しています。これはメーカー自身が「8.6ftこそがエギングの中核であり、最も汎用性が高い」と認めている証拠です。
S86MLを選ぶべき理由
- 圧倒的なバランス:自重とバランス配分が完璧で、8.6ftを感じさせない振り抜けの良さがある。
- 「スパイラルX」の恩恵:ネジレに強いため、初心者の不安定なフォームでもブランクスが補正して、エギを真っ直ぐ飛ばしてくれる。
- 成長を邪魔しない:過度な味付けがないため、練習した分だけ素直に上達できる「教科書」のようなロッド。
予算を下げるならこれ|シマノ「セフィアBB S86ML」
「いきなり2万円台後半は厳しい…」という方は、グレードを一つ落として「セフィアBB S86ML」にしてください。これ以外の「安物」には手を出さないでください。
セフィアBBは、メーカー公式でも「場所を問わず、通年使用できるベーシック」として推奨されています。上位機種のSSに比べれば重さはありますが、ブランクスの補強技術「ハイパワーX」が搭載されており、キャストやシャクリ時の不快なブレ(ダルさ)が極限まで抑えられています。安物特有の「ベナベナ感」がないため、基礎を学ぶには十分すぎる性能です。
8.3ftや9ftへ逃げるための例外条件Q&A
それでもまだ他の長さが気になる人のために、最終確認のQ&Aを用意しました。
| Q. 港内メインだから8.3ftじゃダメ? | A. 条件付きでアリ。 ただし「風速3m以上の日は釣りに行かない」「高い堤防には行かない」と言い切れる場合に限ります。少しでも外洋に出る気があるなら8.6ftに戻ってください。 |
|---|---|
| Q. とにかく遠投したいから9ftがいい? | A. やめておけ。 飛距離は長さよりも「ラインの太さ」や「フォーム」で決まります。9ftを振り切れずにフォームを崩すより、8.6ftをしっかり振り切った方が飛びます。 |
8.6ftでも“買って後悔するロッド”の地雷チェック
8.6ftなら何でも良いわけではありません。特に他メーカーや、安価なノーブランド品を選ぶ際に陥りがちな「地雷」をお教えします。
地雷①「軽いだけ」で選ぶと入力がダイレクトに出すぎる
「自重80g台!」といった軽さを売りにするロッドがありますが、軽さは正義ではありません。ロッドが軽すぎると、手元の操作がダイレクトに伝わりすぎ、「雑なシャクリ」がそのまま「雑なエギの動き」になります。ある程度の自重(95g〜105g程度)があった方が、ロッドの慣性が働いてシャクリのリズムが安定します。
地雷②「硬い=高感度」と信じると情報を処理しきれない
「パツパツに硬い高感度ロッド」は上級者向けです。初心者が使うと、潮の重み、風の抵抗、海藻への接触、全てが「イカのアタリ」に感じてしまい、混乱します。結果、無駄なアワセが増えて釣りのリズムが崩壊します。
店頭で5分で終わる「8.6ft合格判定」の方法
最後に、釣具店で実物を触る際に確認すべき3つのポイントを伝授します。カタログスペックではなく、自分の手で確かめてください。
判定① 振り抜きで重心が手元に残るか確認する
ロッドを軽く(周りに注意して)振ってみてください。振った瞬間ではなく、「止めた瞬間」に注目です。竿先の方に重さを感じて手首が持っていかれるようなら、それは「持ち重り」するロッドです。長時間しゃくると手首が死にます。手元に重心が残り、スッと止まるものを選びましょう。
判定② 穂先の収束を見て「止めの質」を見抜く
ロッドを小さく振って、ピタッと止めてください。この時、穂先が「ブルブルブル…」といつまでも震えているロッドは不合格です。この震え(ブレ)は、シャクリ後の「抱かせの間」を邪魔します。「ピタッ」と一瞬で収束するロッドが、釣れるロッドです。
判定③ グリップを握り込み終盤の集中力を予測する
リールが付いていると想定して、グリップを握り込んでください。特に小指と薬指に力が入るかどうかが重要です。グリップが細すぎたり形状が悪かったりすると、無駄な握力が必要になり、釣行後半の疲労に直結します。
よくある勘違いを叩き潰すための補足
最後に、ネット上の口コミやカタログスペックを見て迷いが生じているあなたへ、よくある2つの誤解を解いておきます。
「飛距離が欲しい=長い方が正解」ではない理由
「サーフ(砂浜)や大規模堤防だから9ftが必要」と考える人は多いですが、飛距離の決定要因は長さだけではありません。「ラインの太さ」「エギの重量」「キャストフォーム」の方が圧倒的に影響します。
特にPEラインを0.8号から0.6号に落とすだけで、飛距離は劇的に伸びます。9ftの重いロッドを振り切れずにフォームを崩すくらいなら、8.6ftでPE0.6号を使って、しっかりロッドを曲げ込んだ方が確実に飛びますし、疲れません。
「操作性が欲しい=短い方が正解」でもない理由
「短い方がキビキビ動かせる」というのは、あくまで無風・凪(なぎ)の好条件での話です。実際のフィールドには風があり、波があります。
エギングにおける本当の操作性とは、「悪条件下でも、エギと自分を繋ぐラインを管理できること」です。その管理能力においては、リーチのある8.6ftの方が圧倒的に有利です。「楽さを取るか、成立を取るか」。釣果を出したいなら、答えは決まっています。
8.6ft/MLを活かす「基準タックルセット」

ロッドが決まっても、リールやラインが適当では台無しです。迷う時間をなくすために、私が実際に初心者に推奨している「基準セット」を公開します。
基準セット(迷う人向けの最適解)
| ロッド | 8.6ft / ML(チューブラー推奨) |
|---|---|
| リール | スピニング 2500番 (S社C3000S / D社LT2500S相当) |
| PEライン | 0.6号 (操作性と強度のバランスが最高) |
| リーダー | フロロ 2.0号 (根ズレ対策と操作性の確保) |
| エギ | 3.5号を軸 / 3.0号をサブ |
このセットの狙い
初心者が一番陥るミスは「ラインが太すぎて風に負ける」か「細すぎて切れまくる」ことです。
PE0.6号は操作が成立しやすく、リーダー2.0号は根ズレもある程度耐えられます。まずはこの設定で固定してください。
状況別のアレンジ(条件付き)
| セット名 | 推奨構成 | 注意点 |
|---|---|---|
| 強風・荒場セット | PE: 0.8号 Leader: 2.5号 | 太くすると安心感は増しますが、風の影響を受けやすくなります。技術がないのに太くするのは「逃げ」です。 |
| 港内・小場所セット (8.3ft許容エリア) | PE: 0.5〜0.6号 Leader: 1.75〜2.0号 | エギは3.0号の比率を上げてもOKです。繊細な操作を優先するセッティングです。 |
最短上達ルール|固定すれば迷いは消える
最後に、この記事を読んでくれたあなたに「最短で上達するためのルール」を贈ります。
- 長さを固定:8.6ft
- 番手を固定:迷うならML
- ラインを固定:PE0.6号 + リーダー2号
- エギを固定:3.5号を軸
釣れないときに道具のせいにするのは簡単です。しかし、変数を「固定」してしまえば、釣れない原因は「自分の腕(糸ふけ・ライン角度・抱かせ)」しか残りません。
「迷い」が消えた瞬間から、本当の「改善」が始まります。
まずは8.6ftを手に取り、フィールドに立ってください。そして、糸ふけ処理と抱かせの間を徹底的に詰めてください。その瞬間、あなたが選んだロッドは「おすすめ」ではなく、あなただけの「正解」になります。
【Q&A】初心者の「最後の迷い」を断つ10の回答

ここまで読んでもまだ迷いが消えない方へ。現場の真実を「一問一答」で断言します。
- Q結局、初心者の最初の1本は何ft?
- A
迷わず8.6ftです。風・足場・潮の状況変化で最も釣りが破綻しにくい長さだからです。「迷う理由」自体を消してください。
- Q8.3ftは本当にダメ?
- A
「万能」として買うならダメです。
港内の小場所・無風・低い足場に限定できるならアリですが、少しでも条件が悪い場所に行くなら後悔します。
- Q9ftの方が飛ぶんじゃない?
- A
飛距離目的で9ftを選ぶのは「負け筋」です。
初心者の体力では終盤にフォームが崩れ、結果として飛ばなくなりますし、釣れなくなります。
- QMLとM、迷ったらどっち?
- A
MLです。
3.5号を投げつつ、自分の雑な入力をカバーして“操作”できる余白が残ります。Mは明確な条件が揃う人専用です。
- Qエギは何号を基準にする?
- A
3.5号を基準にしてください。
「釣れないから」と3.0号をメインにすると、釣りのスケールが小さくなり、上達が止まります。
- Qソリッドティップの方が釣れる?
- A
初心者ほど遠回りになります。確かに乗せやすいですが、雑な操作が矯正されません。基礎を作るならチューブラー一択です。
- Q感度が高いロッドを買えば釣れる?
- A
釣れません。感度は単なる「情報量」です。初心者が処理できない情報は、ただのノイズでしかありません。
- Q軽いロッドが正解?
- A
「軽いだけ」は地雷です。収束が悪い(ブレる)軽量ロッドは、止めが甘くなり「抱かせの間」が死にます。
- Qオカッパリ(陸っぱり)だけなら何を優先?
- A
「糸ふけ処理が成立すること」です。だからこそ、リーチのある8.6ftが基準になります。
- Q釣れない時、最初に変えるべきは?
- A
ロッドではありません。糸ふけ・ライン角度・抱かせの間を直してください。次にエギ、最後に道具です。
まとめ|迷うなら8.6ftのML、一本に絞るならセフィアSS S86ML

長くなりましたが、結論は一つです。
この記事の結論
- 長さで迷ったら「8.6ft」で思考停止していい。
- 番手は「ML」を選び、3.5号を操作する余白を残す。
- 予算があるなら「シマノ セフィアSS S86ML」が市場の最適解。
- 予算を抑えるなら「シマノ セフィアBB S86ML」まで。これ以下の安物は買うな。
もし、このロッドを買っても釣れないとしたら、それは道具のせいではありません。「糸ふけの処理」と「食わせの間(ポーズ)」が甘いだけです。
8.6ftという「基準」を手に入れたあなたは、もう「道具が合っていないのかも…」という言い訳ができなくなります。しかし、それこそが上達へのスタートラインです。迷いを捨てて、フィールドでロッドを振り込んでください。その先に必ず、納得の1杯が待っています。
