こんにちは、満福ログのしのいちです。
2020年って、色々なことがあった年ですけど、漫画も豊作だった印象がありませんか?「漫画のおすすめを知りたいけど、2020年って何が流行ったかな?」と探しているあなたに、ぜひ読んでほしい作品がたくさんあるんですよ。
あの社会現象にもなった「鬼滅の刃」の完結もありましたし、「SPY×FAMILY」みたいに書店員さんが選ぶランキングで1位になった作品も登場しました。ここ、気になりますよね。
少年漫画はもちろん、女性向け、男性向け問わず、異世界モノからリアルなコミックエッセイまで、本当に面白い作品が目白押しでした。1巻から「これは!」と思うような名作も多かったかなと思います。
この記事では、そんな2020年のおすすめ漫画を、当時の熱気を思い出しながらピックアップして紹介していきますね!
- 2020年に話題となった大ヒット作品
- 書店員も注目した2020年の漫画
- 今読んでも面白い多様なジャンルの名作
- 2020年を象徴するおすすめ漫画
2020年のおすすめ漫画必読リスト
2020年といえば、やっぱり外せない「あの大ヒット作」がありますよね。まずは、当時のエンタメ界を席巻した、まさに必読の作品たちから紹介していきますよ!
大ブームを牽引した鬼滅の刃
2020年の漫画を語る上で、「鬼滅の刃」は絶対に外せないですよね。もはや「ブーム」という言葉では足りない、一種の社会現象だったかなと思います。
僕ももちろん全巻読みましたが、2020年は特にアニメの続きとなる「無限列車編」の映画が記録的な大ヒットとなって、さらに人気が加速した年でした。
物語の舞台は大正時代。鬼によって家族を惨殺された主人公・竈門炭治郎(かまど たんじろう)が、唯一生き残ったものの鬼になってしまった妹・禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため、そして家族の仇を討つために「鬼殺隊」に入隊し、戦っていく物語です。
こうやってあらすじだけ聞くと、よくある少年漫画の王道ストーリーかも、と思うかもしれません。でも、「鬼滅の刃」がここまで多くの人の心を掴んだのは、そのストーリーの「濃密さ」にあると僕は思ってます。
魅力的なキャラクターとそれぞれの背景
まず、主人公の炭治郎が本当にイイ奴なんですよ。辛い境遇なのに心が折れず、敵であるはずの鬼に対しても優しさや慈悲を見せる瞬間がある。この「優しさ」と「強さ」のバランスが絶妙です。
そして、炭治郎を取り巻く仲間たち、善逸(ぜんいつ)や伊之助(いのすけ)はもちろん、鬼殺隊の最強剣士「柱」たちも、一人ひとりのキャラクターがめちゃくちゃ立ってるんですよね。
ただカッコイイ、強いだけじゃなくて、それぞれが壮絶な過去や葛藤を抱えている。敵である「鬼」たちにも、人間だった頃の悲しい物語が用意されていて、戦いの裏にあるドラマに思わず涙してしまうことも…。
「鬼滅の刃」のココがすごい!
- 王道の「和風剣戟アクション」の面白さ
- 炭治郎の優しさと成長
- 敵味方問わず、深く掘り下げられるキャラクターの背景
- 家族愛や仲間との絆という普遍的なテーマ
2020年はまさに「鬼滅の刃」一色だったと言っても過言ではないですが、まだ読んだことがないというあなたがもしいたら、今からでもぜひ読んでみてほしいです。日本中が熱狂した理由が、きっとわかるはずですよ。
実写化も話題【約束のネバーランド】
「鬼滅の刃」と同じく週刊少年ジャンプで連載され、2020年に大きな話題を呼んだのが「約束のネバーランド」、通称「約ネバ」です。
これも「鬼」が登場する物語なんですが、「鬼滅の刃」とはまったくテイストが違います。こっちはダークファンタジーであり、極上のサスペンスですね。
物語は、孤児院「グレイス=フィールドハウス」で暮らす子供たちから始まります。優しい「ママ」のもと、兄弟のように仲良く、幸せに暮らしていた主人公のエマ、ノーマン、レイ。しかし、ある日、彼らは衝撃の事実を知ってしまいます。
「自分たちは、鬼の食料として育てられていた」
この幸せな孤児院は、実は「農園」だったという…。この絶望的な事実を知った子供たちが、生き残るために「脱獄」を計画するところから、物語は一気に加速していきます。
息もつかせぬ頭脳戦とミステリー
「約ネバ」の面白さは、なんといっても息詰まるような頭脳戦です。敵は「鬼」だけでなく、子供たちを完璧に管理・監視する「ママ(イザベラ)」。
主人公たちは子供ですが、非常に頭脳明晰。大人であるママの監視をかいくぐり、他の子供たちを巻き込みながら、どうやって脱獄計画を進めていくのか。その駆け引きが本当にスリリングで、ページをめくる手が止まらなくなります。
ただの鬼VS人間という単純な構図じゃなくて、「なぜ人間が食料なのか?」「鬼とは何なのか?」「この世界はどうなっているのか?」という大きなミステリーが根底に流れているのも魅力です。
2020年12月には実写映画(主演:浜辺美波さん)も公開されて、キャスティングや世界観の再現度もかなり話題になりましたよね。実写から入った人も多かったかもしれません。
前半の「脱獄編」の緊迫感は、他の漫画ではなかなか味わえないレベルだと思います。サスペンスやミステリーが好きなあなたには、特におすすめしたい一作ですね。
書店員が選んだSPY×FAMILY
2020年の漫画シーンで、彗星のごとく現れて一気にトップまで駆け上がったのが「SPY×FAMILY」です!
この作品は、「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で見事、第1位を獲得しています。まさにプロ(書店員さん)お墨付きの面白さってわけですよ。
僕も1巻が出たときから「これは絶対来る!」と思ってましたが、予想以上の大ヒットになりましたね。
物語の主人公は、西国(ウェスタリス)一の凄腕スパイである〈黄昏(たそがれ)〉。彼に下された新たな任務は、「名門校に潜入するため、1週間以内に家族を作れ」という無茶なもの。
そこで彼は、精神科医ロイド・フォージャーという仮の姿になり、家族を探すんですが…
- 娘(アーニャ):実は心を読むことができる超能力者
- 妻(ヨル):実は凄腕の暗殺者〈いばら姫〉
なんと、集まった全員が「裏の顔」を持っているという設定(笑)。お互いが自分の正体を隠しながら「普通の家族」を演じようと奮闘する、ドタバタなホームコメディです。
絶妙なバランス感覚
この漫画のすごいところは、設定の面白さだけじゃありません。
娘のアーニャが、父(スパイ)と母(暗殺者)の心を読んで「わくわく!」する姿がとにかく可愛い。このアーニャの可愛さと天然のボケが、コメディリリーフとして最高なんですよ。
一方で、父〈黄昏〉が挑むスパイ任務は本格的でシリアスだし、母〈ヨル〉の暗殺シーンは(ちょっと天然だけど)スタイリッシュでカッコイイ。
「コメディ(日常)」と「シリアス(裏の仕事)」、この二つのバランスが本当に絶妙なんです。お互いの正体を知らないからこそ生まれるすれ違いや勘違いが、爆笑と同時に、どこか温かい「家族の絆」のようなものを感じさせてくれるんですよね。
2020年の時点で「これはアニメ化間違いない」と言われていましたが、その後の大活躍は皆さんもご存知の通り。今や国民的漫画の一つになったかなと思います。笑って、ちょっとホッコリしたい時に最高の漫画ですよ。
のだめ作者の新作七つ屋 志のぶ
「のだめカンタービレ」で一世を風靡した二ノ宮知子先生の新作として、2020年もじわじわと人気を集めていたのが「七つ屋 志のぶの宝石匣(はこ)」です。
「のだめ」がクラシック音楽だったのに対し、今度の舞台はなんと「質屋」。この振り幅が二ノ宮先生らしいですよね。
主人公は、東京の下町にある質屋「七つ屋」の娘・志のぶ。彼女は高校生ながら、宝石の「感情」や「記憶」を感じ取ることができる、ちょっと不思議な力を持っています。
一見するとただの石に見える宝石でも、志のぶの手にかかると、その宝石がどんな人の手を渡ってきたのか、どんな想いが込められているのかが見えてしまうんです。
宝石の豆知識とミステリー
この漫画の魅力は、質屋に持ち込まれる様々な「宝石」にまつわる人間ドラマです。
「このダイヤは、持ち主の強い嫉妬を感じる」とか、「こっちのルビーは、すごく幸せな記憶を持っている」とか。宝石の力を使って、志のぶが持ち主の悩みを解決したり、事件の真相に迫ったりします。
もう一つの軸が、志のぶの婚約者である顕定(あきさだ)の存在。彼はイケメンの宝石外商なんですが、なにやら複雑な過去を抱えていて、その謎を追うミステリー要素も読み応えがあります。
作中では、ダイヤモンドの見分け方や、様々な宝石の歴史、お手入れの方法といった「宝石の豆知識」がすごく自然に、分かりやすく解説されています。「へえ~!」と唸ってしまう情報満載で、これを読むと宝石を見る目が変わるかもしれませんよ。
「のだめ」のようなギャグやコメディ要素はありつつも、少し大人向けでしっとりとした人間ドラマとミステリーが楽しめる作品です。宝石が好きな人はもちろん、質の高いストーリーを読みたいあなたにおすすめですね。
癒し系コメディ新しい上司はド天然
2020年、仕事や人間関係に疲れた多くの人々の心を癒したのが、この「新しい上司はド天然」でしょう。
この作品はもともとTwitter(現X)で発表されて、「こんな上司がいてほしい!」と大バズりしたWEB発の漫画です。
主人公の桃瀬くんは、前職の上司からキツイパワハラを受けて心身ともにボロボロになり、転職してきたという設定。もう、この時点で読んでるこっちも胃がキリキリしそうですよね…。
「今度の職場もパワハラ上司だったらどうしよう…」と不安でいっぱいだった桃瀬くんの前に現れたのが、新しい上司・白崎主任。
この主任が、まあイケメンで仕事もデキるんですが、それ以上に「ド天然」なんです(笑)。
ド天然が世界を救う
緊張と不安で胃が痛くなってしまった桃瀬くんを見て、主任は「クスリを…!」と慌てて買いに走ってくれるんですが、買ってきたのがまさかの「生理痛のクスリ」。
悪気はまったくないんです。ただただ桃瀬くんを心配して、慌てて(昔、元カノに頼まれて買ったのを思い出して)買ってきた結果がそれ(笑)。
こんな調子で、主任は日々、常人には理解不能な天然ボケをかましていきます。でも、その一つ一つが全部「優しさ」や「気遣い」から来ているのが分かるから、桃瀬くんのパワハラで傷ついた心も、読んでいる僕たちの心も、一緒に癒されていくんですよね。
この漫画の癒しポイント
- 白崎主任の想像を超えるド天然っぷり
- パワハラという現実的なテーマを優しく包み込むコメディ
- 登場するキャラクターが基本的にみんなイイ人
- 疲れた心にじんわり効く優しさ
2020年は特にストレスの多い年だったこともあり、こういう「ただただ優しい世界」のコメディが多くの人に求められていたんだと思います。仕事で疲れた夜、寝る前に読むとホッと一息つける、まさに「癒し」の漫画ですよ。
漫画のおすすめ2020年の名作選
いやー、2020年は本当に豊作でしたよね。ここからは、大ヒット作以外にも、僕が「これは!」と思った作品や、特定のジャンルで輝いていたおすすめ漫画をピックアップして紹介していきます。あなたの「好き」が見つかるかも!
イケメン彼女、可愛いだけじゃない式守さん
ラブコメ好きのあなたに、2020年のおすすめとして絶対に推したいのが「可愛いだけじゃない式守さん」です。
この作品もTwitter(現X)で大人気になって、累計200万いいねを獲得したとか。すごいですよね。
従来のラブコメって、「カッコイイ男子がドジな女子を守る」みたいな構図が多かったと思うんです。でも、この漫画は真逆。
主人公は、とにかく運が悪い不幸体質の男子・泉くん。歩いてるだけで看板が落ちてきたり、ボールが顔面に飛んできたり…。
そんな泉くんの彼女が、式守さんです。普段はとっても可愛らしくて優しい、完璧な彼女なんですが、泉くんに危険が迫ると…一瞬で「超絶イケメン」なヒーローに豹変するんです!
ヒロインがヒーローを凌駕する
飛んできた黒板消しをノールックでキャッチしたり、落ちてくる看板を蹴りで弾き飛ばしたり。泉くんを(物理的に)守る姿は、もう「かっこいい」としか言いようがありません。
それでいて、泉くんに対して言うセリフがまたイケメンなんですよ。
「ずっと私の傍にいればいい」
…いや、これ普通、男子が言うセリフじゃないですか?(笑)
でも、この「守られる彼氏」と「守る彼女」という関係性が、2020年の新しいラブコメの形として、めちゃくちゃウケたんだと思います。
もちろん、式守さんはただカッコイイだけじゃありません。普段は泉くんにデレデレの「可愛い」女の子。このギャップがまた、たまらない魅力なんですよね。
「カッコイイ女子が好き!」という人はもちろん、「新しい形のラブコメが読みたい」というあなたに、ぜひ読んでほしい一作です。キュンキュンすること間違いなしですよ。
少年漫画の衝撃作チェンソーマン
2020年の少年ジャンプで、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」(※)と並んで、異様なほどの熱気と注目を集めていたのが「チェンソーマン」です。
(※「呪術廻戦」も2020年にアニメ化が始まり、爆発的にヒットしましたね。ジャンプが本当に強かった年です)
作者は、あのカルト的な人気を誇る「ファイアパンチ」の藤本タツキ先生。その時点で「普通の漫画じゃない」ことは分かっていましたが、想像を遥かに超える衝撃作でした。
主人公はデンジ。親が残した莫大な借金のせいで、「世の中の底辺の底辺」を生きている少年です。食べるものにも困る日々で、彼の夢は「普通の暮らしがしたい」(具体的には食パンにジャムを塗って食べたい)という、あまりにも切実なもの。
そんなデンジは、相棒の悪魔・ポチタ(チェンソーの悪魔)と共に、デビルハンターとしてヤクザにこき使われていました。
しかし、ある日ヤクザの裏切りにあって殺されてしまいます。死の淵で、デンジはポチタと契約を交わし、胸からチェンソーのスターターロープが生えた「チェンソーマン」として蘇る…という物語です。
予測不能なストーリーテリング
この漫画のすごさは、とにかく「予測不能」なこと。展開はグロテスクで過激です。
でも、ただ過激なだけじゃなくて、藤本タツキ先生独特の映画的なコマ割りや、乾いたユーモア、そしてキャラクターたちの「欲望」に忠実なセリフ回しが、とんでもない中毒性を生んでいるんですよね。
注意:結構グロテスクな描写や、精神的にくる展開も多いです。そういうのが苦手な人には、正直おすすめしづらいかもしれません…。
「少年漫画の常識をぶっ壊した」とも言われる作品で、2020年当時は毎週月曜(ジャンプ発売日)にSNSが「チェンソーマン」の話題で持ちきりでした。
ハマる人はとことんハマる、強烈な魅力(と毒)を持った作品です。刺激的な漫画を読みたいあなたには、ぜひ挑戦してみてほしいですね。
元婦警が描くリアル【ハコヅメ】
2020年に僕が「一番笑った漫画は?」と聞かれたら、間違いなく「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」を挙げますね。
この漫画、作者の泰三子(やす みこ)先生が元・婦警さんという異色の経歴。だからこそ描ける、「警察官のリアルな日常」が詰まった作品です。
主人公は、安定を求めてなんとなく警察官になった新人女性警察官の川合。彼女は、仕事のキツさや市民からの冷たい視線に嫌気がさし、辞表を出すタイミングを伺っているような状態。
そんな彼女の指導係としてペアを組むことになったのが、元・刑事課のエースで絶世の美女、だけどパワハラ(?)で交番に左遷されてきた藤部長。
この凸凹コンビが、日々起こる様々な事件(から雑務まで)に奮闘するポリスコメディです。
笑いと涙の「あるある」
とにかく「警察官あるある」が面白すぎるんですよ。
「ボランティアさんを軽トラの荷台に乗せて現場に向かうけど、これ(道交法違反)を本当は自分たちが取り締まらなきゃいけない…!」
みたいな、内部の人間だからこそ知っている葛藤や「あるある」が、これでもかとギャグに昇華されています(笑)。
でも、この漫画のすごいところは、ただ面白いだけじゃないこと。普段はギャグ顔で描かれているキャラクターたちが、事件や事故に直面したとき、ふと見せる「警察官の顔」。
市民の命を守るという仕事の厳しさ、理不尽さ、そしてやり甲斐。そういったシリアスな部分もしっかりと描かれていて、笑っていたはずなのに、次のページでは泣かされる…なんてこともザラにあります。
笑って、泣けて、ちょっとタメになる。「お仕事漫画」として、2020年屈指の傑作だと思います。警察官のイメージがガラッと変わるかもしれませんよ。
大人なギャグ漫画【波よ聞いてくれ】
「無限の住人」というハードな時代劇で知られる沙村広明先生が、全く違うベクトルで才能を爆発させているのが、この「波よ聞いてくれ」です。
2020年にはアニメ化も放送されて、その独特な世界観が話題になりましたね。
主人公は、スープカレー屋の店員・鼓田ミナレ。彼氏に振られた上に金まで騙し取られ、ヤケ酒を飲んでいたところ、たまたま隣にいたラジオ局のディレクターにその愚痴を(録音されて)ラジオで流されてしまう、という最悪のスタートを切ります。
もう、「どういうこと?」って感じですよね(笑)。
でも、放送を止めさせようとラジオ局に乗り込んだミナレは、そこでアドリブで彼氏への殺害予告(風のトーク)をかまし、その破天荒な喋りの才能を買われて、なぜかラジオパーソナリティとしてスカウトされてしまうんです。
怒涛のマシンガントーク
この漫画の魅力は、なんといっても主人公ミナレのキレッキレな「マシンガントーク」。日常の不満や理不尽を、膨大な語彙力と独特の比喩でまくし立てる姿は、もはや芸術的です。
ストーリーも本当に予想外の連続。ミナレが「ラジオパーソナリティ」という枠に収まらず、小説の取材のためにテロ(?)に巻き込まれたり、幽霊騒動に首を突っ込んだり、とにかく展開がカオス。
「無限の住人」のシリアスな画力はそのままに、登場人物たちが全員どこかネジが外れていて、しょうもないことで全力でボケてくる。このギャップがたまりません。
子供にはわからないような、ちょっとブラックでインテリジェンスな「大人のためのギャグ漫画」ですね。くだらないけど頭の良い笑いが好きなあなたに、ドンピシャでハマると思いますよ。
人生を語るSF漫画プラテネス
さて、2020年のおすすめとして色々な作品を紹介してきましたが、ここで一つ、「2020年だからこそ改めて読んでほしい不朽の名作」として「プラネテス」を紹介させてください。
(※この作品自体は2000年代初頭の作品ですが、「人生のバイブル」として語り継がれる名作なので、あえてピックアップしますね!)
作者は、今「ヴィンランド・サガ」で大人気の幸村誠先生。これが幸村先生の初期の代表作です。
舞台は2070年代の宇宙。人類が宇宙に進出し、月や火星にも普通に行くようになった時代です。でも、主人公たちの仕事は、華やかな宇宙飛行士ではありません。
彼らの仕事は、宇宙空間に漂うゴミ、通称「デブリ」を回収すること。高速で飛び交う宇宙ゴミは、宇宙船にとっては脅威。その脅威を取り除くのが彼らの仕事ですが、社内では「窓際族」扱いの地味な部署です。
宇宙を舞台にした泥臭い人間ドラマ
SF漫画というと、派手な宇宙戦争や未知との遭遇をイメージするかもしれません。でも、「プラネテス」は違います。これは、宇宙で働く「サラリーマン」たちの物語なんです。
主人公のハチマキ(星野八郎太)は、「自分はもっとやれるはずだ」と燻りながらも、日々のデブリ回収に追われています。「宇宙で自分の船を持つ」という夢を持っていますが、現実は厳しい。
「こんなはずじゃなかった」という葛藤や、仲間との衝突、愛や死といったテーマが、宇宙という過酷な環境を舞台に、これでもかというほどリアルに、人間臭く描かれます。
「プラネテス」が問いかけるもの
- 自分にとっての「故郷」とは?
- 「愛」とは何か?
- 何のために働くのか、生きるのか?
全4巻(※愛蔵版などを除けば全4巻です)とコンパクトながら、読み終わった後に「自分の人生」について深く考えさせられる、とんでもない傑作です。
2020年という変化の年に、「自分とは何か」を見つめ直すきっかけとして、これ以上の漫画はないかもしれませんよ。
2020年のおすすめ漫画まとめ
いやー、こうして振り返ってみると、2020年は本当に多様なジャンルの「面白い漫画」が揃った奇跡のような年だったなと、あらためて思います。
社会現象となった「鬼滅の刃」から、新しいコメディの形を示した「SPY×FAMILY」や「新しい上司はド天然」、ラブコメの常識を覆した「式守さん」、そして「チェンソーマン」のような強烈な作品まで…。
今回紹介した2020年のおすすめ漫画は、どれもエンターテイメントとして一級品であると同時に、僕たちの価値観や日常に何かしらの「刺激」や「癒し」を与えてくれた作品ばかりです。
「あの頃これ読んでたな~」と懐かしむのも良いですし、「え、これ知らなかった!」という作品があったなら、ぜひこの機会に手に取ってみてほしいです。
あなたの「お気に入り」の一冊が、この中から見つかれば、僕としてもうれしいですよ!


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