こんにちは、「満福ログ」運営者のしのいちです。独立してライター5年目、日々いろんな情報を発信してますよ。
さて、身近な方が亡くなられると、葬儀が終わってからも慌ただしい日々が続きますよね。その中でも特に大きな節目となるのが「49日法要」です。
いざ自分が施主(せしゅ)や遺族の立場になると「49日法要って、まず何から手をつければいいの?」「準備するものは?」「当日の流れは?」「そもそも49日法要の意味って?」と、わからないことだらけで不安になる方も多いんじゃないかなと思います。
日程の決め方からお寺さんへの連絡、案内状の送付、会食(お斎)の手配、さらには香典返しや引出物の準備まで……。本当にやることが多いんですよね。
特に気になるのが、お布施や香典の相場、当日の服装マナー、そして挨拶。どのくらい包めばいいのか、何を着ていけば失礼にあたらないのか、悩みは尽きません。
また、法要当日に納骨や開眼供養を行う場合、持ち物も変わってきますし、49日法要が終わる「忌明け」までの期間、中陰壇(後飾り祭壇)をどう管理すればいいのか、わからないことも多いでしょう。
この記事では、そんな49日法要に関する疑問や不安をまるっと解決できるよう、必要な準備から当日のマナーまで、僕の知識を総動員して詳しく解説していきますね。
- 49日法要の意味や数え方、準備すべきことの全体像
- お布施や香典の相場、服装など気になるマナー
- 法要当日の具体的な流れや納骨、会食(お斎)のポイント
- 香典返しや法要までの過ごし方に関する知識
49日法要の準備と知っておくべきこと
まずは、49日法要を迎えるにあたって「事前に知っておきたいこと」や「準備すべきこと」を整理していきましょう。葬儀が終わってから49日までは、あっという間。やることがたくさんあるので、段取り良く進めるのが大切ですよ。
49日法要の意味と数え方
まず基本のキ、「49日法要ってそもそも何のためにやるの?」というところからお話ししますね。
仏教の考え方では、故人の魂は亡くなってから49日間、この世とあの世の間をさまよっているとされています。この期間を「中陰(ちゅういん)」と呼ぶんですね。
そして、この間、7日ごとに閻魔(えんま)大王たちによる「故人が極楽浄土へ行けるかどうか」の裁きが行われるとされています。遺族は、故人が良い裁きを受けられるよう、7日ごとに祈りを捧げます(これが「追善供養(ついぜんくよう)」です)。
そして、49日目がその最終判定日。故人の行き先が決まる、最も重要な日なんです。
この大切な日に、親族や故人と縁の深かった方々が集まり、「どうか故人が無事に極楽浄土へ行けますように」と願い、盛大に供養するのが49日法要というわけです。
また、この49日目をもって、遺族が喪に服す期間である「忌中(きちゅう)」が終わります。これを「忌明け(きあけ)」と呼び、日常生活に戻る節目という意味も持っていますよ。
49日の数え方
次に「数え方」ですが、これもちょっと迷うポイントですよね。
49日は、故人が亡くなった日(命日)を1日目として数えます。
例えば、4月1日に亡くなった場合、4月1日を1日目とカウントし、49日目は5月19日になります。
数え方の地域差に注意
一般的な数え方は上記の通りですが、関西地方の一部などでは、亡くなった日の「前日」を1日目と数える慣習がある場合も。これは「お逮夜(おたいや)」という、法事の前夜に行う風習に由来するようです。
数え方に不安がある場合は、菩提寺(ぼだいじ。先祖代々のお墓があるお寺のこと)や地域の葬儀社さんに確認するのが一番確実ですよ。
49日法要の準備、日程と案内状
意味と数え方がわかったところで、次は具体的な準備です。施主(法要を主催する人)は、やることがいっぱいありますよ!
1. 日程を決める
まずは法要の日程を決めます。本来は命日から数えて49日目に行うのがベストですが、ぴったりその日が平日だと、皆さん集まりにくいですよね。
そのため、49日目よりも「前」の土日祝日に行うのが一般的です。法要は、後ろ倒し(49日目より後)にするのは良くないとされているので、必ず前倒しで設定しましょう。
「閻魔大王の最終判定が下りる前に、みんなでしっかりお祈りする」と考えると、イメージしやすいかもですね。
2. お寺(菩提寺)への連絡と相談
日程の候補がいくつか挙がったら、最優先でお坊さん(菩提寺)に連絡します。お坊さんの都合がつかなければ法要は行えませんからね。
希望日を伝えて、お坊さんのご都合の良い日時を確定させましょう。このとき、以下の点も併せて相談しておくとスムーズです。
- 法要を行う場所(お寺、自宅、セレモニーホールなど)
- 納骨も同時に行うか(行う場合はその旨も伝える)
- お布施や御車代など、お礼の金額の目安(聞きにくいかもですが、思い切って尋ねてみるのが吉です)
3. 会場と会食(お斎)の予約
日時と場所が決まったら、次は会食(お斎)の手配です。
お寺や自宅以外で法要を行う場合はその会場を、法要後に会食を行う場合はそのお店(料亭、ホテル、仕出し弁当など)を予約します。
予約の際は、「49日法要の後の会食である」ことを必ず伝えてください。そうすれば、お祝い事を連想させる食材(鯛や伊勢海老など)を避けた、法事用の料理を準備してもらえますよ。
4. 参列者への連絡と案内状
日時と場所が確定したら、参列をお願いしたい方々に連絡します。
- 親族のみの場合: 電話での連絡だけでも問題ないことが多いです。
- 友人や会社関係者も招く場合: 往復はがきや、返信用はがきを同封した封書の案内状を送るのが丁寧なマナーです。
案内状には、法要の日時・場所、会食の有無、そして出欠の返信期日を明記しましょう。準備の都合があるので、法要の1ヶ月前くらいには発送できるとベストですね。
49日法要のお布施、相場と渡し方
法要の準備で一番悩むのが、お坊さんにお渡しする「お布施」かもしれません。これ、いくら包めばいいのか本当に迷いますよね。
お布施の意味って?
データベースの情報にもありましたが、僕たちが「お布施」と呼んでいるものには、実はいろんな意味合いが含まれています。
- 読経料(どきょうりょう): お経をあげていただいたことへのお礼。
- 戒名料(かいみょうりょう): 故人に戒名(仏弟子としての名前)を授けていただいたお礼。(※これは葬儀の際にまとめて渡すことが多いですが、49日に含まれる場合も)
- ご本尊へのお供え(寄付): 本来のお布施の意味。お寺のご本尊に捧げ、お寺の維持・運営を支えるためのお金。
単なる「サービス料」ではなく、お寺への感謝やご本尊への信仰を示す「寄付」のような意味合いが強いんですね。だから「定価」がないんです。
お布施の相場(目安)
とはいえ、目安がないと困りますよね。あくまで一般的な目安ですが、49日法要単体でのお布施は、30,000円~50,000円程度が相場と言われることが多いです。
これは、葬儀全体でお渡ししたお布施の10%~20%程度が一つの基準になるようです。
ただし、データベースにもあったように、授かった「戒名」のランク(例:居士・大姉など)によって、葬儀の際のお布施総額が大きく変動します。もし葬儀の際にお布施をまとめておらず、49日法要で戒名料も併せてお渡しする場合は、金額が数十万円になることもあり得ます。
お布施以外に準備するもの
お布施とは別に、以下のものも準備しておくと丁寧です。
- 御車代(おくるまだい): 5,000円~10,000円程度
(お坊さんに自宅や会場まで出向いていただいた場合の交通費として) - 御膳料(おぜんりょう): 5,000円~10,000円程度
(お坊さんが法要後の会食(お斎)を辞退された場合に、食事代として)
これらは「お布施」と書いた封筒とは別々に用意します。
金額はあくまで目安です
これらの金額は、あくまで一般的な目安です。お寺との関係性、地域性、宗派、戒名のランクなどによって大きく異なります。
一番確実なのは、日程調整の際に「皆様、お布施はどのくらいお包みされていますでしょうか?」と、菩提寺に直接お伺いすることです。失礼にはあたりませんので、安心して聞いてみてくださいね。
お布施の渡し方マナー
- お金の入れ方:
- 封筒: 郵便番号欄のない、真っ白な封筒を使います。不祝儀袋(水引がついたもの)は使わなくてもOKです。(地域差あり)
- 丁寧な場合: 半紙でお札を包み、「奉書紙(ほうしょがみ)」という和紙で上包みにします。
- 表書き:
- 濃い墨(黒墨)を使います。(薄墨は葬儀の時だけ!)
- 上段に「御布施」または「お布施」と書きます。
- 下段に施主の氏名(フルネーム)または「〇〇家」と書きます。
- (御車代、御膳料も同様に、白封筒に「御車代」「御膳料」と書きます)
- 水引について:
- 基本的にお布施に水引は不要とされますが、地域によっては使う場合もあります。
- 使う場合は、関東では「黒白」、関西では「白黄」の結び切りが一般的です。これも地域差が大きいので確認が必要ですね。
- 渡すタイミング:
- 法要が始まる前の、ご挨拶の時。
- または、法要が終わり、お坊さんがお帰りになる時。
- (会食に出席される場合は、会食が終わりお帰りになる時でもOKです)
- 渡し方:
- 絶対に手渡ししないこと!
- 小さなお盆(切手盆)に乗せて渡すか、袱紗(ふくさ)に包んでおき、渡す直前に袱紗から出して、袱紗の上に乗せて渡します。
- 渡す際は、お坊さんから見て表書きが読める向きにして、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」「本日は誠にありがとうございました」と一言添えましょう。
49日法要の香典、相場と表書き
こちらは主に参列者側のマナーですが、施主側も「いくらくらい頂くものか」を知っておくと、香典返し(後述)の準備に役立ちますよ。
香典の相場(目安)
49日法要の香典は、故人との関係性や、法要後の会食の有無によって金額が変わってきます。
| 故人との関係 | 会食ありの場合 | 会食なしの場合 |
|---|---|---|
| 親・兄弟・姉妹 | 20,000円~50,000円 | 10,000円~30,000円 |
| 祖父母・その他の親族 | 10,000円~30,000円 | 5,000円~10,000円 |
| 友人・知人・会社関係 | 10,000円~30,000円 | 5,000円~10,000円 |
※夫婦で参列する場合は、上記の金額の1.5倍~2倍程度(例:1人1万円なら夫婦で2万円)を包むことが多いようです。
会食に出席する場合は、食事代として1人あたり5,000円~10,000円程度上乗せするイメージですね。親族間で金額の差が出すぎないよう、事前に「いくらにする?」と相談し合っておく(「御供物料として1万円+会食費1万円で、合計2万円にしよう」など)のも良い方法かなと思います。
香典袋の表書きとマナー
ここ、葬儀の時と違うので要注意です!
49日法要の香典マナー
- 表書き: 「御仏前(ごぶつぜん)」を使います。
(葬儀の時は「御霊前(ごれいぜん)」でしたが、49日法要で故人は「霊」から「仏」になるとされるため、変わります。浄土真宗は葬儀から「御仏前」ですが、ややこしいので49日は「御仏前」と覚えておけばOKです) - その他: 「御供物料(おくもつりょう)」「御香料(ごこうりょう)」でも大丈夫です。
- 墨の色: 濃い墨(黒墨)を使います。薄墨は使いません!
- 水引: 黒白か双銀の「結び切り」(一度きりという意味)を使います。
- 渡し方: 袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で「この度はご丁寧にご案内いただき恐れ入ります。心ばかりですが、御仏前にお供えください」など、一言添えて渡します。
49日法要の服装、遺族と参列者
服装も迷うポイントですよね。「葬儀と同じでいいの?」と思うかもしれませんが、少し違います。
施主・遺族(三回忌くらいまで)
法要を主催する側、故人と近しい遺族は、参列者よりも格上の服装をします。
- 男性: 正式喪服(モーニングコート)または準喪服(ブラックスーツ)。ワイシャツは白、ネクタイ・靴下・靴は黒。
- 女性: 正式喪服(ブラックフォーマル)。ワンピース、アンサンブル、スーツなど。肌の露出は避け、ストッキングや靴も黒。アクセサリーは真珠(一連)か結婚指輪のみ。
基本的に、葬儀の時と同じ「喪服」と考えるのが間違いありません。参列者よりも軽い服装にならないよう、敬意を払った服装を心がけましょう。
参列者
参列者(親族以外や、遠縁の親族など)の場合は、「準喪服」または「略式喪服(平服)」が一般的です。
- 男性: 準喪服(ブラックスーツ)が最も無難です。もしくは、ダークスーツ(濃紺、チャコールグレーなど)でもOK。ワイシャツは白、ネクタイ・靴下・靴は黒で統一します。
- 女性: 準喪服(ブラックフォーマル)が最も無難。または、地味な色(濃紺、グレーなど)のワンピース、アンサンブル、スーツ。
「平服でお越しください」と言われたら?
案内状に「平服(へいふく)で」と書かれていることがあります。これは「普段着で来てね」という意味ではありません!
この場合の「平服」とは、「略式喪服」のことを指します。「喪服でなくても構いませんが、法要にふさわしい、改まった地味な服装で来てください」という意味なんです。
Tシャツやジーパン、派手な色・柄の服は絶対にNGですよ。
子供の服装
- 学生(中学生以上など): 学校の制服が正式な礼服となります。靴下や靴も、制服の規定に合わせるか、なければ黒や白の地味なものを選びましょう。
- 小さい子供(制服がない場合): 白のシャツやブラウスに、黒・紺・グレーなどのズボンやスカート、ワンピースなど、地味な色合いの服を選びます。キャラクターものや派手なデザインは避けましょう。
冬場のコートや小物
寒い時期の法要ではコートを着ていきますが、毛皮(ファー)や革製品(レザー)は「殺生」を連想させるため、法事の場では厳禁です。
ウールやカシミヤ、ポリエステルなどのコートを選びましょう。手袋やバッグも同様に、革製品は避けるのがマナーです。会場に入ったら、コートは必ず脱ぎましょうね。
49日法要当日の流れとマナー
さて、準備が整ったら、いよいよ法要当日です。当日の流れをしっかりシミュレーションしておくと、慌てずに済みますよ。ここでは一般的な流れをご紹介しますね。
49日法要の当日の流れと挨拶
当日は、施主と遺族は参列者よりも早めに会場に入り、準備(中陰壇の確認、お供え物、引出物の配置、席順の確認など)を済ませておきます。
一般的な当日の流れ
- 参列者入場・着席: 参列者が揃ったら、所定の席に着席します。故人と縁の深い順に前から座るのが一般的です。
- 僧侶(お坊さん)入場: お坊さんが入場し、祭壇の前に着席されます。
- 施主による開始の挨拶: 施主が立ち上がり、参列者とお坊さんへ、集まっていただいた感謝と法要を執り行う旨を簡潔に述べます。
(例:「本日はご多忙のところ、亡き父〇〇の四十九日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。これより、〇〇寺ご住職様にお願いし、法要を執り行わせていただきます。ご住職様、どうぞよろしくお願いいたします。」) - 読経(どきょう): お坊さんによるお経が始まります。
- 焼香(しょうこう): お坊さんの案内に従い、まず施主から焼香を行います。その後、遺族、親族、友人・知人の順(故人と縁が深い順)に行います。
- 僧侶による法話(ほうわ): 焼香が終わると、お坊さんから仏教に関するお話や、故人を偲ぶお話(法話)があることが多いです。
- (納骨・開眼供養): この後、お墓に移動して納骨式や開眼供養を行う場合があります。(詳しくは次項)
- 施主による中締めの挨拶: 法要が一段落したところで、施主が再び挨拶します。法要が無事に終わったことへの感謝と、この後の納骨や会食(お斎)の案内をします。
(例:「本日は誠にありがとうございました。おかげさまで、滞りなく四十九日の法要を営むことができました。この後、ささやかではございますが、別室にてお斎(おとき)の席をご用意しております。故人の思い出話などを伺いながら、おくつろぎいただければと存じます。」) - 会食(お斎): 会場を移し、会食を行います。
- 施主による終了の挨拶: 会食が終わる頃合いを見て、施主が最後の挨拶をします。参列いただいたことへの重ねての感謝と、今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉、そして引出物を持ち帰っていただく旨を伝えて、お開きとなります。
- お見送り・引出物を渡す: 参列者が帰る際に、引出物(香典返し)をお渡しします。
お布施を渡すタイミング
お布施や御車代・御膳料は、以下のタイミングでお渡しするのが一般的です。
- 法要が始まる前、お坊さんにご挨拶する時
- 法要がすべて終わり、お坊さんがお帰りになる時
- (お坊さんが会食にも参加された場合)会食が終わり、お帰りになる時
僕は、お帰りの際に「本日は誠にありがとうございました」と御礼とともにお渡しするのが一番スムーズかなと思いますよ。
49日法要の納骨と開眼供養
49日法要は、親族が集まる大きな節目。そのため、この日に併せて「納骨(のうこつ)」や「開眼供養(かいげんくよう)」を行うことが非常に多いです。
納骨式とは
納骨式とは、その名の通り、火葬場で骨壺に納めたご遺骨を、お墓や納骨堂に納める儀式です。49日までは後飾り祭壇(中陰壇)にご遺骨を安置していますが、忌明けのタイミングで納めるのが一般的とされています。
▼納骨の流れ(法要後にお墓に移動した場合)
- お墓の前に集まり、お墓を掃除し、お花や供物をお供えします。
- お坊さんにお経をあげていただきます。
- お墓の「カロート」と呼ばれる遺骨を納めるスペースの蓋を(石材店の方か施主が)開けます。
- 施主、または遺族の代表者が、カロートにご遺骨(骨壺)を納めます。
- 再びお坊さんにお経をあげていただき、参列者が順番に焼香を行います。
- 蓋を閉じて、終了となります。
納骨に必要な「埋葬許可証」
納骨の際には、「埋葬許可証(まいそうきょかしょう)」が絶対に必要です!
これは、死亡届を役所に提出した際に「火葬許可証」として発行され、火葬場で火葬済みの印が押されて返却されたものです。通常、骨壺の箱(桐箱)の中に一緒に入れられていることが多いですよ。
これが無いと納骨できませんので、当日は絶対に忘れないようにしましょう!
開眼供養(かいげんくよう)とは
もし、故人が亡くなったことを機に、新しくお墓を建てたり、仏壇や本位牌(ほんいはい)を新調した場合は、「開眼供養」という儀式も併せて行います。
これは「魂入れ(たましいいれ)」や「お性根入れ(おしょうねいれ)」とも呼ばれます。
新しく作ったお墓や仏壇、位牌は、まだ単なる「物」でしかありません。これらにお坊さんのお経によって魂を吹き込んでもらい、初めて「拝む対象」にする儀式が、開眼供養です。
特に重要なのが「位牌」です。葬儀から49日まで使っていたのは、仮の「白木位牌(しらきいはい)」です。49日までに、漆塗りの「本位牌」を準備しておき、この開眼供養で故人の魂を白木位牌から本位牌へ移していただきます。
法要後は、この本位牌を仏壇に安置することになります。役目を終えた白木位牌は、お寺に納めます(お焚き上げしてもらいます)。
開眼供養も行う場合は、日程調整の際にお坊さんに必ず伝えておき、お布施もその分(10,000円~30,000円程度)を「開眼供養御礼」などとして別途用意するのが一般的ですよ。
49日法要の会食(お斎)とは
法要の後に行われる会食のことを、「お斎(おとき)」と呼びます。最近は省略されることも増えてきましたが、本来はとても大切な意味があります。
お斎には、以下の3つの意味が込められています。
- 法要を行ってくださったお坊さんへの感謝
- 参列してくださった方々への感謝
- 故人を偲びながら、思い出を語り合う場
お斎のマナー(席次と料理)
▼席次
法要の時とは席順が変わるので注意です。
お斎は「おもてなしの席」です。お坊さんが最も上座(床の間や祭壇に一番近い席)に座られます。その隣に、接待役として施主が座ることが多いです。
他の参列者も上座から順に座り、施主家族(遺族)は一番下座(末席)に座ります。これは、皆様をもてなす立場だからですね。
▼料理
もともとは精進料理(肉や魚を使わない料理)でしたが、現在ではあまりこだわらなくなっています。懐石料理などが一般的ですね。
ただし、前述の通り、お祝い事を連想させる「鯛」「伊勢海老」や、「紅白」の食材(赤飯、紅白まんじゅうなど)は避けるのがマナーです。予約時に「49日法要で」と伝えれば、お店側で配慮してくれますよ。
▼費用相場
地域や会場(ホテル、料亭、仕出し)によりますが、一人あたり 3,000円~10,000円程度が目安です。(これに飲み物代が別途かかります)
お斎を行わない場合
最近は、時間の都合や感染症対策などで、お斎を行わないケースも増えています。その場合は、法要が終わった時点で、施主の挨拶の際に「お斎は行わない」旨を伝えます。
そして、参列者がお帰りになる際に、引出物と一緒に「折詰弁当」と「お酒の小瓶(またはお茶)」をお渡しするのが一般的です。これが会食の代わりとなります。
49日法要の香典返しと引出物
法要の準備で、施主は「引出物(ひきでもの)」を準備します。これは、法要当日に参列者にお渡しするお礼の品です。
「香典返し」と「引出物」の違い
ちょっとややこしいんですが、この二つ、目的が少し違います。
- 香典返し: 葬儀の際に頂いた「香典」に対するお返し。
- 引出物(粗供養): 49日法要に「参列してくれたこと」へのお礼。(法要当日の香典に対するお返し、とも言えます)
▼香典返し(忌明け返し)
本来は、忌明け(49日法要)が終わった後に、「無事に忌明けを迎えました」という報告を兼ねて贈るものでした。頂いた香典の金額の3分の1~半額(半返し)程度の品物を選びます。
▼当日返し(即日返し)
最近は、この「忌明け返し」を、葬儀の当日に一律の品物(2,000円~3,000円程度)で渡してしまう「当日返し(即日返し)」が主流です。
この場合、もし高額な香典(例:5万円や10万円)を頂いていた方には、当日返しの品物では不足しますよね。その場合は、49日の忌明け後に、差額分にあたる品物を改めて「香典返し」として贈る必要があります。
▼49日法要の「引出物」(粗供養)
これは、49日法要に参列してくださった方へのお礼(手土産)です。相場は2,000円~5,000円程度が一般的です。
法要当日に香典(御仏前)を頂くことへのお返し、という意味合いが強いですね。会食を行わない場合は、これに折詰弁当がプラスされます。
どんな品物が選ばれる?
香典返しも引出物も、「不祝儀を残さない」という考えから、「消えもの」(使ったり食べたりしたら無くなるもの)が選ばれます。
よく選ばれる品物
- 食品: お茶、海苔、お菓子(日持ちするもの)、調味料、乾物など
- 日用品: 洗剤、石鹸、タオル(不幸を洗い流す、拭い去る)
- その他: カタログギフト(最近とても多いです)
避けるべき品物
- 生もの(肉・魚): 殺生を連想させるためNG。
- お祝い品: 昆布(よろこぶ)や鰹節(勝男武士)など、お祝い事に使われるものはNG。
- お酒: 嗜好品であり、お祝いのイメージもあるため、避けるのが無難(※ただし、お斎の代わりにお渡しする小瓶は除く)。
引出物には、「志」「粗供養」などと書いた「かけ紙(熨斗ではない)」を付け、水引は黒白や銀の結び切りを使います。
49日法要までの持ち物と中陰壇
最後に、49日法要を迎えるまでの期間の過ごし方と、当日の持ち物を確認しておきましょう。
49日までの過ごし方と「中陰壇」
葬儀が終わると、ご遺骨、白木位牌、遺影を安置するための祭壇が自宅に設置されます。これを「中陰壇(ちゅういんだん)」(または後飾り祭壇)と呼びます。
49日法要が終わる(忌明けする)までの間、遺族はこの中陰壇(ご遺骨)に向かって故人の冥福を祈ります。
▼中陰壇の飾り方(例:三段の場合)
- 上段: 遺影、ご遺骨、白木位牌
- 中段: 仏飯(ご飯)、茶湯(お茶)、お水、お供え物(頂いたお菓子や果物、故人が好きだったもの)
- 下段: 香炉(お線香)、燭台(ろうそく)、リン(チーンと鳴らすやつ)、一輪挿し(お花)
葬儀社さんがだいたい設置してくれますが、お供えは毎日取り替えるのが基本です。
ご飯、お茶、お水は毎朝お供えし、夕方になったら下げて家族で頂きます。(ずっと置きっぱなしにしないように!)
お菓子や果物も、腐らせないうちに下げて「お下がり」として皆でいただきましょう。故人がこの世にいる最後の49日間、できるだけお線香をあげ、手を合わせる時間を大切にしたいですね。
また、この期間は、葬儀に参列できなかった方が弔問に訪れることも多いので、その対応も必要になります。
当日の持ち物(施主側・参列者側)
当日に慌てないよう、持ち物リストも確認しておきましょう。
【施主側】の持ち物リスト
- ご遺骨(骨壺)
- 白木位牌(仮の位牌)
- 本位牌(新しく作ったもの)
- 遺影
- 埋葬許可証(納骨する場合)
- お布施・御車代・御膳料
- 引出物(粗供養)
- お墓参り用のお花・お供え物・お線香
- 数珠(じゅず)
【参列者側】の持ち物リスト
- 香典(御仏前)
- 袱紗(ふくさ・香典を包むもの)
- 数珠(じゅず)
- (必要に応じて)お供え物(お菓子や果物など)
滞りない49日法要のための確認
ここまで49日法要について、準備から当日まで一通り解説してきました。
データベースの情報にもあったように、本来は亡くなってから7日ごとに法要(初七日、二七日、三七日…)を行って故人の冥福を祈るものですが、現代ではその多くが簡略化され、葬儀当日の「繰り上げ初七日」と、この「49日法要」に集約されています。
だからこそ、49日法要は故人にとっても遺族にとっても、非常に重要な儀式なんです。
やることが多くて本当に大変だと思います。施主の方は特に、葬儀の疲れが取れない中での準備となり、心身ともに負担が大きいかもしれません。
でも、一番大切なのは、故人を偲び、「どうか安らかに」と願う気持ちです。準備万端で当日を迎えられれば、心にも余裕ができて、故人との最後のお別れにしっかりと向き合えるはずですよ。
今回お話しした内容は、あくまで一般的な流れやマナーです。
菩提寺や葬儀社への確認を忘れずに
法要のしきたりやマナーは、地域性や宗派によって、かなり違いがあります。
「うちの地域では水引の色が違う」「うちの宗派では開眼供養と言わない」など、この記事の内容と異なる場合も必ずあります。
最終的な確認は、必ずご自身の菩提寺(お坊さん)や、地域の慣習に詳しい葬儀社さん、または親族の年長者の方に相談するようにしてくださいね。それが、滞りなく法要を営む一番の近道だと思います。
この記事が、あなたの49日法要の準備に少しでも役立てば幸いです。


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